ブランデンブルク州、旧東ドイツ、ベルリンを楽しもう
by KIKI-Brandenburg
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   ★KIKIの自己紹介★
岐阜県生まれ、岐阜県育ち。
立教大学文学部ドイツ文学科卒業。同大学在籍中、交換留学生としてベルリン・フンボルト大学へ留学。
立教大学卒業後、フンボルト大学に正規学生として入学し、ヨーロッパ民俗学とジェンダー学を専攻。
2007年9月下旬に著書「がんばれ、ブランデンブルク州!」を出版。アマゾンなどネットの本屋さんでも買えます。「がんばれ、ブランデンブルク州!」で検索してください。ベルリンではDDR博物館でも売っています。興味のある方は私に直接問い合わせてくださっても結構です。

2008年8月の終わりに娘が産まれました!育児ネタもちょくちょくあります。

ドイツ語のプライベートレッスンをしています。興味のある人はここか、直接こっち(別ブログ)に飛んでください。

      ★お願い★
このブログ内の文章や写真に興味を持って引用/転載してくださる場合は、出典として明記してください。ネットの場合はリンクを張ったりトラックバック機能を使ってください。そして、そんな名誉なことがあれば、KIKIはぜひ知りたいので、ご連絡ください。

このブログはKIKIが趣味としてやっているものです。不快なコメントなどは削除しますのであしからず。

記事の内容に並々ならぬ興味をそそられた方、KIKIと直接コンタクトを取りたい方はメールでどうぞ。
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ブランデンブルク州の観光情報(州の公式観光案内)

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ミュンヘン(5):オクトーバーフェスト

9月の終わりのミュンヘンといえば、オクトーバーフェスト!なはずなんですが、ビールもドンチャン騒ぎも人ごみもバイエルンも嫌いな私は全く興味ナシ。
「オクトーバー」フェストなのに、なぜセプテンバー(ドイツ語ではゼプテンバー)から始まるのか、まずそこから私には理解できません。

実際に行った人の話だと、すごい人で、とてもビールを注文できるような状態ではなく、テーブルの上で歌を歌っている人達がたくさんいたそうで、まぁ、そんな話を聞かずともゼロだった私の行く気はマイナスにまで落ち込んだのでした。

オクトーバーフェストに行かなくても、実はいろんなところで面白いものを見られるんですよ。ビールバンザイ!バイエルンバンザイ!!になっている人達を通りで見ているだけで、私なんかもう悪酔いしそう(--;)
せっかくですから、(いろんな意味で)酔ってる人々を、しらふの目で見てみましょう。

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歩行者天国を歩く人達。
右側は民族衣装で固めた家族。女性はディーンドゥル(Dirndl)というワンピースを着ています。ディーンドゥルのスカート丈はもともとロングだそうですが、最近は短いバージョンや、現代風にアレンジされたものあります。基本的に、腰の辺りをグッと締めて、胸元を派手に開けています。「寄せて上げて」だけじゃなく、あれはどう見てもお腹の肉まで持ち上げていると思うんですが、まぁ、ガツガツ肉を食べてガンガンビールを飲むような、迫力のある体格をした女性に映えるデザインだと思います。
左側はおそらく観光客で、妙な帽子をかぶっています。左から2番目の人の頭に乗っているのはビールの樽。罰ゲームでもなく、自主的にこういう格好をしている人が街の中をうろうろしているので、完全にしらふな私は、歩いているだけで楽しくなっちゃいます。

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こちらは、バイエルンなワンちゃん。
飼い主は普通の格好をしていたんですが、この犬は帽子までかぶらされています。動物虐待じゃん。道行く人々の視線を浴びて、飼い主はとってもうれしそうでした。

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歩行者天国で、ストリートミュージシャンの演奏を楽しむ人々。
民族衣装を着た人と、そうでない人がフツーに混じっていて、そのアンバランスさがまた面白い。
左のカップルは現代的な衣装を着ていて(おばさん、スカート短いっ!)、左の年配のカップルはクラシックなタイプの衣装を着ています。

男性の民族衣装は、皮のズボン+ワイシャツ+ハイソックス+ハイキング(トレッキング?)シューズというのがメイン。
セクシーのセの字もない・・・というのは私の個人的感想ですが、「寄せて上げて」で迫力満点の女性の隣に、こういうあえてセクシーではない格好をしている男性がいると、なんだか、とても苦労しているようで(爆笑)、想像力をかきたてられてしまいます。

a0104785_372290.jpg

街の中の公園で日向ぼっこする人。
手前の、皮ズボンを履いて寝ている男性が妙に可愛くて、パチリ。
きっと疲れたんでしょう。こんなに天気がいいんだもん、ディーンドゥルの女性に引きずりまわされるより、一人静かに昼寝がいいよね。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-09-30 03:18 | ミュンヘン

ミュンヘン(4):同乗便 (Mitfahrgelegenheit)

一ヶ月近くに及んだミュンヘンでのお仕事も終わり、昨日の夕方、ベルリンに戻ってきました。ミュンヘンについて書きたいことはまだいくつかあるのですが、記憶が薄れないうちに、まずは移動手段のことを書いておこうと思います。

ベルリンからミュンヘンに来たときは、あらかじめ安い電車のチケットを予約しておいたのでよかったのですが、帰りの日程は仕事の進み具合によって1~2日ずれる可能性があったので、チケットを取りませんでした。
では、どうやってベルリンに帰ったかというと、
同乗便 (Mitfahrgelegenheit)
というのを利用しました。これは、ガソリン代程度のお金を払って、同じ場所に行く人の車に乗せていってもらうものです。インターネットで検索できて、個人的に連絡を取ってお金を払います。サイトはここ

同乗便を使うのは今回が初めて。
知らない人の車に乗せてもらうのが怖かったというわけではないけれど、ドイツ国内で長距離の移動をする機会があまりなかったし、電車でゴトゴト行くのが好きだから、今まで利用したことがなかったんです。
でも、メッセで一緒に働いたホステスもみんな同乗便で移動しているというし、安いし、運がよければ親切な人や楽しい人と一緒に行けるということで、今回、初挑戦!

インターネットで検索して、出発の2日前の夜に乗せてくれる人に電話で連絡をとりました。
出発地点はミュンヘン空港の近くの駅で、お昼の12時に集合。乗せてくれるのはベルリンの男性で・・・というか、そう言われなくても、「私」のIch(イッヒ)が思いっきりIck(イック)になっている時点でベルリンか、その周辺の人だと分かりました。
若くてよくしゃべる感じの人で、「ひょっとしたら6時間しゃべりっぱなしなんだろうか」という一抹の不安はあったものの、前日までイタリアのミラノにいるという、まぁ、話のネタはいっぱいある人なんだろう、という印象を受けました。

実際に会ってみると、中学生がそのまま大きくなったような、多分30代前半のお兄さんでした。ベタベタのベルリン訛りの早口でしゃべる人で、もう半分ベルリンに帰ったような気分になりました。
後になって、彼がブランデンブルク市出身で、ポツダムで仕事をしていてることが判明。途中でお母さんに「テンプリン(ブランデンブルク州北部の街)に書類を送ってくれ」という電話をしたり、いきなりシュテティン(ブランデンブルク州に近いポーランドの街)のお客さんから電話がかかってきたりして、私は妙に懐かしい思いに駆られました。

ミュンヘンからは、多分私と同い年くらいのミュンヘン出身の男性2人が一緒に車に乗り、ニュルンベルクで、ポツダムでバイトをするニュルンベルク出身の、こちらもおそらく私くらいの年齢の女性を1人乗せて、計5人でベルリンまで向かいました。

平均年齢は30かそれよりちょっと下くらい、雰囲気も和やかで、でも必要以上に詮索されることもなく、気楽な時間を過ごしました。
ベルリンまでは途中で渋滞があったものの、6時間くらいで、25ユーロ。特急電車とそんなに変わらない時間で移動でき、値段は4分の1かそれ以下だから、若い人がこのシステムを利用するというのも納得です。
今回、私は大量の荷物があったので、乗り換えがなく、車を降りてからも、一緒に中心地へ向かうミュンヘン人が荷物を持ってくれたというのがラッキーでした。

同乗便を使うには、ドイツ語のコミュニケーション能力が要求されると思うので、誰にでもオススメできるわけではありませんが、学生やバックパッカーなどにはありがたいシステムだと思います。
ドイツに住んでいる方であれば、一度や二度はドイツ鉄道にキレていると思いますが、どうやらまた値上げをするそうで、さらに私有化の議論もあって、必ずしも「みんなにやさしい」交通機関ではないでしょう。
CO2削減という点で考えれば(←ええ、考える人なんです、私^^;)車に乗るのはよくないけれど、一人一台ではなく、複数人で1つの車をシェアするというのはある意味エコロジーだし、表面的とはいえ、人と接する機会があるというのは悪くない事だと思います。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-09-29 01:18 | ミュンヘン

ミュンヘン(3):罪 (Die Sünde)

ミュンヘンに来て3週間。メッセも終わり、後片付けの期間はそんなに忙しくないので、今日は一日お休みをいただきました。でも、今日は日曜日―ドイツでは日曜日はレストランやカフェ以外の店は閉まっていることが普通で、ミュンヘンも例外ではありません。

昨日くらいからオクトーバーフェストが始まったそうですが(この書き方ですでに分かるように)、ビールもドンチャン騒ぎも人ごみもバイエルンも嫌いな私にとっては全くどうでもいいことです。

ということで、買い物でもオクトーバーフェストでもない観光で一日過ごすことにしました。

さて、どこに行こう・・・。

8年前に一ヶ月間ミュンヘンに滞在した時に、市内や近郊の観光は一通りしたはずですが、実はあんまり覚えていないんですよね(^^;)
王宮なども絶対訪れているはずなのに、覚えていないのは、きっとその後にいろんなヨーロッパのお城や美術品を見たせいで、感動が「上書き」されてしまったからでしょう。

ブランデンブルク州メンタリティーに則って、ミュンヘンの郊外に行きたくなりましたが、今日は遠出している時間がありません。

そうだ、あの絵に会いに行こう。

8年前に初めて見て、記憶にこびり付いている、あの絵。
ノイエ・ピナコテーク (Neue Pinakothek) という、近代絵画を集めた美術館にあるその絵、Franz von Stuck (1863-1928) という画家の作品、その名も

罪 (Die Sünde)

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8年前、この絵の前で私は凍ってしまいました。
何の予備知識もないまま、初めて見たその絵。ぎょっとしたというか、怖かったというか、どうしようもなく美しかったというか・・・。
とにかくすごいインパクトでした。噛み付かれた。
美術館などで気に入った作品の絵はがきなんかを買うことはよくあるんですが、この「罪」の絵はがきは買いませんでした。買えなかったんです。買ってはいけないような気がしたんです。

あれから8年。
大人になった(笑)私は、もう一度あの絵が見たくなりました。

私は芸術に詳しいわけではないのですが、この絵のテーマが何であるかは、ジェンダー学をやっていればわかります(^^)。
ファム・ファタルというやつです。男を破滅させる妖艶な女。女にまとわりついている蛇は誘惑や堕落の象徴です。暗がりの中で浮かび上がる白い肌。「セクシー」なんていう言葉は似合わない、こっちを見据える目。暗闇と蛇と一体化したこの女。男のコントロールを失わせる魔性の女です。

誘っているのに媚びていない、このまっすぐな視線がすごい。
この女、笑っていません。
全裸でもなく、きれいな服を着ているわけでもない。

凄まじい絵だと思います。

今日、8年ぶりに見てクラクラしました。
そして、今回は大きなポスターを買いました!(笑)

ノイエ・ピナコテークには、他にもゴッホやルノアールやモネといった、もうちょっと一般ウケしそうな有名画家の作品もあり、2時間くらいあれば見て回れるので、ミュンヘンの観光にはオススメですよ。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-09-24 06:19 | ミュンヘン

ミュンヘン(2):メッセの仕事

現在私はミュンヘンで一ヶ月近く出稼ぎをしているわけで、今回はその仕事について書いてみたいと思います。

KIKIのミュンヘンでのお仕事とは・・・

ホステス

と言っても、日本で言う「お水」ではなく、ドイツではメッセなどでニコニコしているおねぇさんのことです。
普通、ホステスの仕事といえば、受付とウエイトレスを合わせたようなものですが、私はメッセの準備と後片付けまでお手伝いするので、一ヶ月近く働くことになりました。レストランやリムジンの手配、通訳、買い物、接待まで、何でもやります。

今回の舞台はITMAという織機(布を織る機械)のメッセで、ミュンヘンの東の隅にある大きな会場で8日間に渡って行われました。

私がお手伝いしているのは、金沢にある「津田駒工業株式会社」さんです。もうすぐ創業100年を迎える会社で、織機や機械部品を作っています。
ローカルなようで、実はグローバルな会社らしく、世界中にビジネスパートナーがいて、今回のミュンヘン以外にも、たくさんの外国のメッセに参加しています。

布を織る機械というと、私は鶴の恩返しで鶴がパッタン、パッタン・・・とやっているああいうのしか思い浮かばなかったのですが、21世紀の機織機というのはスゴイです。

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これはタオルを織る機械。
上に色の糸のロールが乗っていて、機械の下には同じようなロール状の白い糸が設置されています。

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近くで見るとこんな感じ。
たくさんの櫛のようなものが上下に動いてタオルの模様をつくり、その手前にある、これも櫛のようなものが前後に動いて布にします。
横糸は空気で送られて、手前のガッチャンとやる櫛は一分間に780回動くそうです。一分間に780回といわれても、ピンとこないのですが、とにかくすごいスピードで前後して、どんどん布ができていきます。

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こっちは服の生地を織る機械。
一分間に1650回も櫛が動きます。

780回とか、1650回といわれても、知識のない私には全然ピンとこないのですが、とにかく凄まじい速さで動くんです。このスピードで織っていたら、恩返しの鶴は

3分もしないうちに丸裸

になることでしょう。
メッセでは実演もしているので、目の前で布が織られていく様子を観察してみたのですが・・・

すごい。

ド文系の私からすると、何がどうなってこんなものができるのか分からない。「人間ってこんなものもつくれるんだ・・・」と思わずにはいられません。鶴がパッタン、パッタンとやっていた機械は何百年かして、ボタン1つでガーーーっと動くハイテクマシンになったようです。

コンビナートとか、炭鉱の機械にわくわくしてしまう私は、やはりこういう機械にもわくわくしてしまします。機能を追及していくと、どこかでとてもきれいになる。
この機械を見て、ピアノを連想するのは私だけでしょうか??
布になって流れていく糸はまるで楽譜。その楽譜の上に延々とトレモロ(震音)を刻んでいくようです。
機械そのものはドンと座ったままですし、糸や櫛の動きは規則的で、最小限に抑えられている(に違いない)ので、妙にストイックな印象を受けます。
実際にはすごい音を立てて動くのですが、全く音がしなかったら、オルゴールのオバケだと思うかもしれません。

布を織る工場では、こんな機械を何十台も、何百台も使うそうです。
布をつくる機械なんて今まで見たことがなかったのですが、身の回りの布もこんな機械によって作られているのかと思うと、布を見る視点が少し変わりますね。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-09-22 04:47 | ミュンヘン

ミュンヘン(1):「本国へ帰れ!」

つぶろぐでこっそりつぶやいたように、私は9月の後半まで旧西ドイツのとある街で出稼ぎをしています。

その街とは・・・

ミュンヘン。

言わずと知れた、バイエルン王国の首都。
「ドイツであってドイツでない」というのは、ベルリンに関してよく言われることですが、ミュンヘンも負けず劣らずキャラの濃い街です。

実は私、8年前に1ヶ月ミュンヘンに滞在したことがあります。
ドイツ語を始めて3ヶ月で現地の語学学校に行って、ホームステイをしました。
そこでもう散々な目にあって、ミュンヘンには二度と行くまいと思っていたのですが・・・どういう巡り合わせか、また来ることになりました。

ベルリンが好きな人というのは、大体ミュンヘンが嫌いです。そして、その逆もしかり。
ベルリンどころか、もっと激しい(?)旧東ドイツが好きな私は・・・言うまでもなく、なんだか落ち着きません(^^;)。

このブログは、ブランデンブルク州をメインに、旧東ドイツを紹介するつもりで作ったので、ミュンヘンについてはノータッチでいこうと思っていたのですが、ベルリンからミュンヘンに来た私が経験するカルチャーショックというのも、ある意味面白いので、書いてみます。

まず、第一弾は、先日経験したショッキングな出来事について・・・。


仕事が終わった後、買い物をして、中央駅で電車を待っていました。
リュック+パソコンの入ったバッグ+大きな買い物袋と、かなりの荷物。乗ろうと思っていた電車は行ってしまったばかりで、15分ほどホームで待たなければいけませんでした。
電車がくる3分前になって、ようやくベンチが空いたので、隅っこの左の席に3つの荷物を置いて、私はその隣の席に座りました。
ふー、重かった、やれやれ・・・と思って1分もしないうちくらいに、背の高い、とても「ドイツ人っぽい」白人の男性がやってきました。60歳か、もっと上かもしれない、大柄のおじいさんです。とてもいい身なりをしています。

そのおじいさん、私を前に、突然言いました。
「この荷物どけてください。」
「どけてくださいますか」とか、「座りたいんですけれど・・・」というのではなく、命令口調で横柄に言われました。

「この荷物、とても重いんです。」
私はそう答えました。実際にメチャメチャ重いんです。仕事でくたくたになって、ようやく見つけた席です。なにより、そのものの言い方があまりに横柄だったのでカチンときたんです。

するとおじいさんは怒っていいました。
「地面に置けばいいじゃないか。」

でも、3個の大荷物ですよ。置けないことはないけれど・・・と思って、後ろを見てみると、ベンチの反対側の席は空いています。
「向こう側は空いていますよ。」

するおじいさん、ますます怒って言いました。
「私はこっちに座りたいんだ。まったく、なんて失礼な。これはドイツのルールだ。そんなことも分からないなら、本国へ帰れ。

血の気が引きました。
そんなこと言われたの、初めて。
私は呆然としてしまって、それ以上何も言わずに、荷物は床に置いて席を空けました。


ショック。


腹が立つとか、怖いとか、悲しいとか、そういうのじゃなく、もう、ガーーーンときました。

確かに、お年寄りにはすすんで席を譲るべきなのかもしれない。そもそも、私は自分が元気で荷物が多くなければ、席を譲る人です。ただ、その日は本当に疲れていたし、大きい荷物が3つもあったんです。
席に座りたいだけなら、わざわざ荷物をよけてもらわなくても、反対側の空いている席に座ればいいでしょう。
そのおじいさん、2メートルも移動できないほどよぼよぼな感じの人ではないんですよ。大柄の、タフで、まだ元気バリバリ!みたいなおじいさんです。

お年寄りを大事にするのは、ドイツのルール以前に、世界中のかなりの国で通用するルール。何を根拠に「ドイツのルール」というのでしょう。
自分の要求を通したいがために、明らかに外国人だとわかるアジア人の私に(でもアジア系ドイツ人とかもいるのにな・・・)「ドイツのルール」という大儀名分を出す、その高慢さ。

そのなんだか勝手に「ドイツの」と断言されたルールだけれど、そのルール、「ドイツ人なら」守っているの?
なぜそこで「本国に帰れ」が出るの?
そのルールを守っていないドイツ人には何ていうの?

ちょっと考えれば、この理屈が全くの茶番であることは明らかです。
こういうのを、外国人差別というんです。
「理屈」を持ち出して、外国人を邪魔者扱いする。相手を無価値化する。相手を「非合法化」する。殴ったり、蹴ったりする暴力じゃなく、これは言葉の暴力です。タチの悪い外国人差別。

びっくりしました。
ベルリンに住んで5年、数え切れないほどのたくさんの旧東ドイツの街や村にも行ったけど、今回のようなことを言われたことはありません。
ベルリン以外の旧東ドイツだと、珍しがられることや、ちょっと冷やかされることはあっても、それはアジア人を見慣れていない人達の自然な反応で、敵意はありません。あからさまに「帰れ」なんて、そんなことを言われた事はありません。

旧東ドイツというと、すぐネオナチとか、外国人差別ということが言われるけれど、それは、ごく一部の、それこそ「教養のない」人達が言う事で、ある程度の社会性と常識を持っている人は寛容です。
ましてや、私の場合、ドイツ語もできるし、大学も出ているし、ビザもあるし、ドイツ人のパートナーもいます。人と接する時には、フレンドリーでいようと心がけていますし、ドイツ人とのコミュニケーションにも慣れています。「帰れ」といわれるような筋合いはありません。

いかにも教養のなさそうな人が、外国人をいじめたり、侮辱したりするのは、「レベルが低いんだな」と諦めることもできますが、今回ショックだったのは、とてもいい身なりをした、一見すると教養もお金もあるような人が、そんな言葉を吐いたことです。バイエルン訛りのそのおじいさん、言葉で私を殴ったんです。

「コテコテの旧西ドイツ」で、お金持ちなミュンヘン。観光客もたくさん訪れるし、とても賑わっている街です。
「ビール好きで陽気なバイエルン人」なんて、ガイドブックでよく書かれているけれど、「カトリックで保守的」なんてことは書かれていませんよね。保守派のCDUより、もっと保守なCSUという政党が強いところだなんて、ドイツの政治事情知らない観光客は考えもしないでしょう。まして、ドイツ語が分からなければ、隣で何を言われているのかも分からない。

極右というとすぐ旧東ドイツと結び付けられるけれど、「エレガントな極右」みたいな保守政党やキリスト教が幅を利かせているのは南ドイツです。

もちろん、性格の悪い人や外国人を敵視している人はどこにでもいるでしょう。
今回の経験は事故みたいなもので、運悪くそんな人にあたってしまった、と諦めたほうが賢いのでしょう。
外国人に寛容なミュンヘン人も多いでしょうから、このおじいさんの言ったことを「ミュンヘンの人が言った」というのは乱暴です。

でも、こんな人が実際にいるというのも事実なんですよね。
外国人差別というのはどこにでもある問題です。旧東ドイツに限ったことではありません。スキンヘッドに限ったことでもない。紳士的な身なりをした人が、実はネオナチと変わらないことを考えているかもしれない。
今回は本当にショックを受けたんですが、いろいろと考えるきっかけになりました。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-09-09 18:24 | ミュンヘン

本の予約ができるようになりました

お知らせです!

インターネットの本屋さん、アマゾンでKIKIの本「がんばれ、ブランデンブルク州!」が予約できるようになりました\(^0^)/

本の内容も少し紹介してあるので、ぜひ見てみてください。

http://www.amazon.co.jp/dp/4861821541/

著者としては、まだ本が出来るという実感があまりないのですが、何度も利用したことのあるアマゾンに自分の名前(本名ですよ^^;)や書いたものが出ているというのは、うれしいと同時に、なんだかくすぐったいような気分です。

でも、これで本が出来るのが「うそぴょん」ではないということが分かったので(笑)、堂々と「みなさん、買ってね」と言うことが出来ます。

まあ、ひとまず見てみてください。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-09-05 20:02 | 著書について

調査旅行(5):国境を越える

ポーランドの辺鄙な村から電車でまた延々と移動し、今日は国境を越えてドイツに戻ります。

ポーランド側の街はGryfino (ドイツ語名:Greifenhagen)、ドイツ側はシュタフフェルデ(Staffeld)という村で、オーダー川が国境になっています。
この国境地帯のドイツ側には「ウンテレス・オーダータール (Unteres Odertal) 国立公園」という、ブランデンブルク州唯一の国立公園があり、ポーランド側にも自然保護区があります。
この国立公園について、論文を1個書いたばかりで、私はマニアックに詳しいんですが(^^)、それはまた別の機会にでもお話しましょう。

国境を渡る方法としては、車か自転車があります。徒歩でも渡ろうと思えば渡れますが、国境検問所はドイツ側にあって、そこまでかなりの距離があります。
なぜ川を隔てたすぐのところに国境検問所が無いかというと、オーダー川の向こうには広大な湿地帯の自然保護区が広がっていて、人が住んでいないからです。
国境を越えたすぐのドイツ側は、村が点在する穀倉地帯で、電車の駅もないので、車か自転車がないと困るでしょう。

では国境を渡ってみましょう。

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ポーランド側の街からみたところ。緑色の大きな橋が道の向こうにかかっています。物々しい雰囲気は全くありません。

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橋のたもとはこんな感じ。ブレブレですみません。

a0104785_4525493.jpg

橋の上から見たポーランド側の街。この国境のあたりでは、オーダー川はかなりの川幅になっています。

そんな橋を渡ってから、湿地帯の中の一本道を延々と行って、ちょっとした坂道を上ると、国境検問所があります。本当は写真を撮りたかったけれど、ダメそうだったので写真はナシ。
雰囲気としては交番みたいな感じでした。ゼミの参加者のうち、ウクライナ人と私のパスポートだけはみっちり調べられました。外国人といっても、EU内の外国人は国境を渡るのも簡単なんです。

この国境を越えてからは、上り坂がいくつもあって、結構しんどいです。荷物満載の自転車でフーフーいいながらこいでいきます。
畑が広がるエリアには、きれいな並木道も多いんです。並木道をビューンと飛ばしながら、「あぁ、ブランデンブルク州に帰ってきたな」と、うれしくなりました。

調査旅行ではこの後、ブランデンブルク州北部のウッカーマーク郡の村に2泊して、国立公園の近くの地域の街や村でインタビューをしてきました。そのことは、また分けて紹介しようと思います。

調査旅行はゼミの一環なので、事前にまとめたり、口頭発表の準備をしたりと、大変でしたが、調査する場所に赴くというのはいい経験になりました。実際に行ってみないと分からない雰囲気や、インタビューをしなければ得られない情報というのはとても多いんだと実感しました。
朝から晩まで(部屋は必ず相部屋)ゼミの参加者といるのは、外国人で、その上基本的に単独行動が好きな私にはかなりハードだったんですが、こんな状況に置かれなければ一生しなかったかもしれない濃い交流だったわけで(^^;)、ドイツ生活の経験値がググッと上がったような気もします。(おわり)

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by KIKI-Brandenburg | 2007-09-03 04:56 | 調査旅行