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ブランデンブルク州、旧東ドイツ、ベルリンを楽しもう
by KIKI-Brandenburg
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   ★KIKIの自己紹介★
岐阜県生まれ、岐阜県育ち。
立教大学文学部ドイツ文学科卒業。同大学在籍中、交換留学生としてベルリン・フンボルト大学へ留学。
立教大学卒業後、フンボルト大学に正規学生として入学し、ヨーロッパ民俗学とジェンダー学を専攻。
2007年9月下旬に著書「がんばれ、ブランデンブルク州!」を出版。アマゾンなどネットの本屋さんでも買えます。「がんばれ、ブランデンブルク州!」で検索してください。ベルリンではDDR博物館でも売っています。興味のある方は私に直接問い合わせてくださっても結構です。

2008年8月の終わりに娘が産まれました!育児ネタもちょくちょくあります。

ドイツ語のプライベートレッスンをしています。興味のある人はここか、直接こっち(別ブログ)に飛んでください。

      ★お願い★
このブログ内の文章や写真に興味を持って引用/転載してくださる場合は、出典として明記してください。ネットの場合はリンクを張ったりトラックバック機能を使ってください。そして、そんな名誉なことがあれば、KIKIはぜひ知りたいので、ご連絡ください。

このブログはKIKIが趣味としてやっているものです。不快なコメントなどは削除しますのであしからず。

記事の内容に並々ならぬ興味をそそられた方、KIKIと直接コンタクトを取りたい方はメールでどうぞ。
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ブランデンブルク州の観光情報(州の公式観光案内)

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エバースヴァルデ (Eberswalde)

フランクフルト・オーダーのブルーメンコール君の家で2泊した後は、ゾヤ君とエバースヴァルデ(Eberswalde)という街に行きました。ゾヤ君がエバースヴァルデに用があって、私はそれにくっついて行ったんです。

フランクフルト・オーダーからエバースヴァルデには、ドイツ鉄道ではなく、「東ドイツ鉄道」という私鉄で行きます。とはいえ、この電車でもドイツ鉄道の「ブランデンブルク・ベルリンチケット」が通用します。

エバースヴァルデはベルリンから北東に行ったところにある人口4万人の街で、第11章で取り上げている「中世とDDRのハイブリッド都市」ベアナウからもうちょっと北に行ったところにあります。
エバースヴァルデは第8章に出てくるウッカーマーク郡(ブランデンブルク州の北の隅っこの郡)とベルリンの間にある、
バーニム郡 (Landkreis Barnim) の郡庁所在地。
ちなみに、ベアナウもこの郡の一部です。
バーニムの雰囲気というのは、「ベルリンとウッカーマークの間」という、地理的にそのままな感じです。ウッカーマークほどの田舎でもなく、ベルリンほど都会じゃない。
私の中でバーニムのイメージがいい理由の一つは、自然保護区があることです。郡の南部には「自然公園バーニム」があり、その北には「生物圏保護区ショーフハイデ・コリーン」があります。郡の面積の半分くらいは自然保護区なんじゃないでしょうか。

では、実際にエバースヴァルデの中心地に行ってみましょう。

a0104785_3114688.jpg

マーケット広場はこんな感じ。広場全体がきれいに整備されて、人で賑わっていました。四角いのはちょっと変わった噴水。
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市場が立っていました。八百屋さん、食べ物屋さん、雑貨屋さん、花屋さんなどが軒を連ねています。

中心地はとてもきれいな街だな、と思いきや、こんな通りもありました。
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この右の建物がステキです(←廃墟好きにしかわかんないか)。
木骨とレンガの組み合わせがなんだか変だし、窓の数や大きさからして、ものすごく古い建物というわけではないと思います。
ちょっと見にくいかもしれませんけれど、通りの突き当たりにある建物もいい感じに「朽ちて」います。屋根に草なんか生えちゃって。

マーケットのあるところだけを見ていると、ピッカピカで現代的だけれど、ちょっと入り込むと、開発の手が伸びていない廃屋がじーっと立っている。・・・いいですねぇ。

廃屋や廃墟って、なんともいえない退廃美というか、滅びの美学というか(?)、ワビサビなかんじ(??)があって、慣れてくると「きれいだなぁ~」と思えてくるんですよ(←少なくとも私は!)。
昔はどんな風だったのかな、どんな人がどんな風に使っていた建物なのかな、どうして放置されちゃったのかな・・・そんなことを考え出すと、想像力に羽が生えちゃうし(^^)。

ブランデンブルク州の街って、いろんなタイプがあるけれど、現代的な建物がある一方で、ギョッとするような廃墟があったりして面白いんですよ。突然、別の時代に足を踏み入れたような錯覚に陥ってしまうようなところがあっちにもこっちにもある。整備された町並みをみて「わー、きれいね☆」と言うのに飽きたら、そういうマニアックな体験をしに行くのもいいと思います。いたるところに「どこでもドア」があって、時が止まってしまったような空間に行けるんです。

エバースヴァルデの中心地はこの数年で大規模に開発されて、エバースヴァルデ出身の芸術家「パウル・ヴンダーリッヒ (Paul Wunderlich) 」にちなんだ現代的な建物ができました。それはそれで興味深いんですけれど、今回はじっくり見る時間がなかったので、またいつか行きたいと思います。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-10-28 03:29 | 廃墟/廃屋

ヘレーネ湖 (Helenesee)

さて、話をフランクフルト・オーダーに戻しますよ。

オリエンテーリングで山の中を走って、よぼよぼになってベルリンに帰ってきたのに、その足でフランクフルト・オーダーに行き、死ぬかもしれないキノコを晩ご飯に食べたわけですが、私の受難はまだ続きます(^^;)。

ブルーメンコール君とトイプリングちゃんはサイクリングが好きです。
フランクフルト・オーダーに遊びに行くと、よほど天気が悪くない限り、みんなで自転車でどこかに行くことになります。それは橋を渡ったポーランドだったり、近場のサイクリングコースだったりするんですけれど、よく行くのはヘレーネ湖 (Helenesee)です。

ヘレーネ湖は、フランクフルト・オーダーの南8キロくらいのところにある250ヘクタールの湖です。ローカルな観光地としてすっかり定着しているところで、近くにはヨーロッパで一番大きいキャンプ場があるそうです。
約3000もあるブランデンブルク州の湖のなかでも、特に水質がいい湖で、その上サラサラの広い砂浜もあって、夏になるといつも人でいっぱいです。さすがにそんなステキな湖が放っておかれるわけはなく、最近になって、夏場は大人一日2.5ユーロの入場料を取るようになりました。

さて、このヘレーネ湖。名前を聞いて「あ、ひょっとして?」と思う人は、私並のブランデンブルク州マニアです。


ヒント:ヘレーネというのは女性の名前です。


女性の名前のついた湖というと・・・



炭鉱跡かも!


え~、炭鉱ってなによ??と話が全然分からないあなたは、まだ本の第7章を読んでいないに違いないっ(笑)。
ブランデンブルク州周辺では昔から石炭の露天掘りが行われていて、石炭採掘後に残る巨大な穴は、水を入れて人工湖に変えられることがよくあります。本に書いた「ラオズィッツ湖水地方」というのは、それを地域レベルでやっているわけですけれど、単発的に炭鉱跡を人工湖に変えることは結構前からあったんです。

それで、なぜ女性の名前の湖で炭鉱跡を連想するかというと、炭鉱には女性の名前がついていることがよくあるからです。
たとえば、ブランデンブルク州南部の街、グロースレーシェンにある「イルゼ湖」というのも、イルゼという炭鉱の名前にちなんでいて、そもそもイルゼというのは、炭鉱を管理していた会社の社長の長女の名前です(←マニアックすぎ)。

ヘレーネ湖の元は、1930年から1950年代後半まで採掘されていたヘレーネという炭鉱で、その後、湖として観光地化されていきました。

元炭鉱だった湖なんて・・・と思ってしまうけど、今はこんな感じです。

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普通の湖でしょう!
それどころか、かなりきれいな湖です。炭鉱跡だなんて、言われなければ分からないし、言われても実感が湧きません。

さて、そんなヘレーネ湖に、私達は自転車で行きました。もう何回か行ったことがあるとはいえ、フランクフルト・オーダーからは8キロくらい離れていて、サイクリングコースとしては快適なのですが、帰りは長い上り坂があります。

勝手にポーランドにされている森の中を走ってよぼよぼになり、毒キノコの恐怖におびえ、翌日は炭鉱跡の湖に自転車で行く私。

あぁ、なんてブランデンブルク州テンコ盛りな休暇なんだ(T-T)

ヘレーネ湖に着いたのは午後3時くらいで、私達は砂浜で遅い昼ご飯&おやつを食べました。人で溢れている夏場とは全然雰囲気が違って、散歩をする人や、釣りをする人がちらほらいるくらい。静かに湖を見ながらお茶なんか飲んで、のんびりのんびり過ごしました。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-10-25 23:26 | サイクリング

子連れゼミ

今回は、ブランデンブルク州とは関係ない、私の大学生活について。
たまには、ちょっと寄り道もいいでしょう。

今日から本格的に冬学期が始まりました。
ヨーロッパ民俗学のゼミ2個と、ジェンダー学のゼミ1個(ゼミばっかなんです)に行って、なかなかいい手ごたえ(?)だったんですけれど、最後のジェンダー学のゼミがある意味とても面白かったんです。

ゼミのテーマは「母性愛」。
・・・まぁ、ジェンダー学やってりゃ、一回くらいは押えておきたいテーマです。

あ、「ジェンダー学って何?」という人はここ(ウィキペディアの「ジェンダー」)あたりを見ると、なんとなくわかるかもしれません。ちなみに、私は男がいない人生なんて嫌だし、子供も欲しいし、超穏健派のジェンダー屋だし、もう、フェミ辞めちゃってるようなヘッポコなので、叩かないでくださいね

それで、その「母性愛」のゼミはジェンダー学と文化学のコラボで(ジェンダー学というのは、ありとあらゆる学問分野にまたがっているんです)、ゼミなのに50~60人くらいの参加者がいました。
ジェンダー学って、圧倒的に女子学生が多いんですけれど、時々男子学生もいて、その「母性愛」のゼミにも男子学生が何人かいました。今日びっくりしたのは、男子学生の一人が赤ちゃんを連れてきたことです。ベビーフードをもらっていたけれど、まだ自分では歩けないくらいの小さい子。その学生は30くらいかな(ドイツの大学じゃ30で学生なんてザラです)。彼は子供を抱いて授業に出ていたんですけれど、

ステキでした。

彼がその子のお父さんなのかどうかは知りませんよ。ひょっとしたら、ゼミの時間とバイトのベビーシッターがかぶったのかもしれないし、誰かの子を一時的に面倒を見ているだけかもしれない。でも、子供に接する態度とか、その慣れた感じからすると、多分、実の父親だと思います。

それで、そのパパは子供をあやしながら授業を受けました。
子供は結構うるさかったです。小さい子だし、何度かむずがって泣きました。
でも、誰も「うるさいから出て行け」なんていいません。ジェンダー学の授業で、それも母性愛をテーマとする場で、そんなこと言ったもんなら袋叩きですよ。
学生も先生も、子供と学業/仕事を両立するのがいかに難しいかということを知り尽くしている人達だもの。「出て行け」というのは、正論かもしれないけれど、その正論がいかに人を傷つけるか、いかに「冷たい」ものか、そのへんがわからないジェンダー屋なんて「お前、ナニ勉強してきたんだ」ってもんです。

それに、その子供をあやしているのは男性ですよ。ジェンダー屋はほめ殺しこそすれ、追い出しはしません(笑)。

それで、その男子学生は子供と遊ぶだけじゃなく、ちゃんと授業にも参加していました。

「父性愛についてはどうなんですか」

という、出るべくして出た彼の質問。

ステキだよ、おとうさん!!

「母性愛」というのはすべての女性にあるものではないし、子供をいとおしむ気持ちは男性にもある。子育てが女性に「押し付けられて」きた一方で、男性は子育てをするチャンスを「奪われて」きたんじゃないかな。

その男子学生の子供に対する態度はとても愛情に満ちていました。もう、後光が差すほどステキでした。理屈もいいけれど、ああいうのを実際に見ると、「子育ては女の仕事」と決めるけるのがいかに馬鹿馬鹿しいかわかります。

お父さんが授業に子供をつれてくるのは初めて見ましたが、今までにも何回か、子供をつれて授業に参加する女子学生はいました。犬を連れてくる学生もいたし、目が見えないから点字の機械を持ってきてノートをとる学生もいたし、車椅子の学生もいました。大きなおなかの女子学生は結構よく見かけるし、そういえば、今日のヨーロッパ民俗学のゼミの先生も妊婦さんでした。外国人学生なんて、本当に山ほどいるし。
大学は学問の場だけれど、人間は学問をするだけのマシーンではないから、人だけではなく、その人の生活の一部や生活状況が持ち込まれてもいいと思います。
たしかに、授業中に子供がいるのはうるさいけれど、それで集中できないとしたら、問題はその程度で途切れるような集中力しか持ち合わせていない私のほうでしょう。子供が居ようが、犬が居ようが、それでも集中できる能力があればいいだけのことです。

あの男子学生は来週も子供をつれてゼミに来るんだろうか。ちょっと楽しみです。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-10-23 05:30 | 学生生活

命がけグルメ

ゾヤ君の友達で、旧東ベルリン出身で今はフランクフルト・オーダー(第12章で取り上げている国境の街)に住んでいる人がいます。彼はつけ合わせのカリフラワーが好きなので、それにちなんで「ブルーメンコール (Blumenkohl:ドイツ語でカリフラワー) 君」としましょう。

日曜日のオリエンテーリングの後、私はのりあきさん、にわっちさんと一緒に、夕方4時くらいによぼよぼになってベルリンに戻ってきたんですが、別れ際に、にわっちさんから「ブランデンブルク・ベルリンチケット」をもらってしまったんですね。
それで私、ケチなもんだから、「この時間ならまだどっか行けるよな」なんて思って、ゾヤ君に電話して、「じゃあ、ブルーメンコールんちに行こう」ということになりました。
お金がないと、こういう凶行におよぶわけです(笑)。

ということで、急遽、ゾヤ君と一緒にブルーメンコール君の家に遊びに行きました。

ブルーメンコール君はロシア語を母語とするウクライナ人女性と結婚しています。彼女は料理が好きで、私達が遊びに行くたびに、くどい料理をガンガン出してくれます。不味くはないんですよ、おいしいけどくどいんです。東欧の料理ってくどいものが多いし、彼女に悪気はないようです。

そんな彼女が今回ご馳走してくれたもの、それは

森で採ってきたキノコ。

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日本語でなんというのか知りませんが、ドイツ語で「トイプリング(Täubling)」といいます。トイプリングには、中欧だけでも150種類くらい種類があるそうです。せっかくだから、このウクライナ人の彼女を「トイプリングちゃん」としましょう。

ブルーメンコール君とトイプリングちゃんはキノコ狩りが好き。
秋になれば、山でキノコだけでなく、リンゴとか、ナシとか、プルーンも見つけてきます。もともとアウトドア派な彼らは、なんてったってお金がないので、山の幸をこれでもかというくらい集めてくるんです。

私が思うに、キノコ狩りというのは、釣り並に高度な趣味です。だって、見つけるだけじゃなく、星の数ほどあるキノコの種類を見分けられないといけないし、キノコがどこにどんな風に生えているか熟知してないといけないでしょう。彼らの話によると、キノコ狩りをする人は結構いるらしく、採りに行くなら早朝に自転車で数キロ離れたところにいかないとダメだそうです。

フランクフルト・オーダーの近くの森には、いろんな種類のキノコが生えているそうで、高級キノコとして知られる「シュタインピルツ(Steinpilz:ヤマドリタケ)」や、マローネ(Marone)という美味しいキノコや、普通に店で売られている「フィッファーリング(Pfifferling:アンズタケ)」という、オレンジ色をしたキノコも採れるそうです。

トイプリングちゃんの話だと、キノコ狩りをするドイツ人は、大体、見分けるのが簡単なシュタインピルツやマローネを探しているそうです。ブルーメンコール君たちは、シュタインピルツやマローネも探すけれど、トイプリングも集めます。トイプリングは結構見つかるんだけれど、区別するのが難しいので、素人はあんまり採らないとか。
ということは・・・。

「よく似た毒キノコがあってさ」とブルーメンコール君。

「食べると死ぬらしい。」

「・・・」

気付いてからじゃ遅いらしいよ。あっはっは」

「・・・」

そんな話をしながら、私達はトイプリングちゃんの作った「トイプリングのクリーム煮、ジャガイモの付け合せつき」を晩ご飯に食べたわけです。

実は、去年の秋にブルーメンコール君んちに遊びに行ったときはシュタインピルツ&マローネを山ほどご馳走になったんです。そのときも「えー、食べて大丈夫なのかな」と思いつつも、美味しくてガンガン食べちゃったんですね。
今回も、「あぁ、まだ死にたくないなぁ」と思いつつ、でも4人の中で一番早くお皿を空にしてしまいました(笑)。

「お、KIKI早い!当たるとしたらキミからだね」とブルーメンコール君。
「大丈夫よー、私達もう随分食べたけどまだ全然平気だし」とトイプリングちゃん。

・・・ロシアンルーレットならぬ、ウクレイニアンルーレットです。

夜、なかなか寝付けませんでしたが(笑)、どうやら今回は弾の入っていないところの引き金を引いたらしいです。あぁ、よかった~!!

トイプリングちゃんはたくさん採ったキノコや果物を瓶詰めにもします。
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瓶詰めにする方法はお母さんから習ったそうで、こうしておけばとても長持ちします。

毎年山ほどキノコを採って食べていてもまだ当たっていないブルーメンコール君たちは、キノコを見分けるプロなのか、それとも、よほど運が強いのか。私はキノコって好きなんですけれど、こんな寿命が縮まるような命がけグルメはもう十分です。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-10-21 02:24 |

バート・フライエンヴァルデ (Bad Freienwalde)

前回取り上げたオリエンテーリングが行われたのは、バート・フライエンヴァルデ(Bad Freienwalde)という、ベルリンの北東にある街です。
ベルリンから北東にずっと行った、ポーランド国境の近く(つまり、オーダー川沿い)には、オーダーブルフ(Oderbruch)という広大な干拓地が広がっています。バート・フライエンヴァルデは、その干拓地の北の端にある街です。

ポーランドに近いといえば、近いんですけれど、国境から10キロくらいは離れています。ところが、オリエンテーリングの会場に近づいたあたりで、ケータイにメッセージが入ったんですね。なんと、ポーランドのケータイ会社からで、

We wish you nice stay in Poland!

とか書いてあって、まだブランデンブルク州じゃー!!と笑っちゃいました。

普通、国境を越えてから、その国のケータイ会社からメッセージが入って、「外国からの通話になりますよ」ということが分かるんですけれど、思いっきりドイツにいるのに勝手にポーランドにされてもねぇ(^^;)。地元の人はどうしてるんでしょう??

さて、まだまだドイツなこの街、何が有名かは、行かなくてもわかります。
だって、名前に「バート」って付いているでしょう。この場合のバートというのは、温泉地という意味です。ドイツには「バート何とか」という地名が結構あって、そこには温泉があります。
バート・フライエンヴァルデの温泉は1683年に見つかったもので、それ以来、温泉地として定着しているようです。

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温泉の近くはきれいな家が並んでいました。
家族で暮らす家というより、ちょっとしたホテルのような感じです。凝った装飾がしてあったりして、なんだか妙にお上品な雰囲気。
ブランデンブルク州っぽくないなぁ・・・。
というのが第一印象。ブランデンブルク州にしては品が良すぎる、なんていうと失礼だけど、「労働者」という言葉とかけ離れている、妙にノーブルな雰囲気は、やはり非日常的な温泉地として発展してきた街だからでしょうか。

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街の中心地はこんな感じ。
ブランデンブルク州っぽくないよ、やっぱり。
妙にかわいらしく、こじんまりときれいにまとまっています。

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こちらは街のなかにあるコンサートホール。
こういう木骨作りの建物が廃墟になると、しみじみして美しいんですけれど(←廃墟好き)ここでは、キッチリ修復されています。

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こちらは市庁舎。
これもきれい。建物そのものが立派だということもあるけど、何てきれいに手入れされているんだろうと、感心してしまいました。この建物の前にはちょっとした広場があって、隣の教会もステキでした。

結論:
バート・フライエンヴァルデはブランデンブルク州っぽくない。


これは、今度オババ(ゾヤ君のお母さん)にオススメせねば。
温泉があるし、ちょっとお上品なムードもあるし、これは地元のお年寄りの保養地としてはいけるぞ。実際、ジジババを満載したバスも見かけたし。

というわけで、ブランデンブルク州なのに妙に品のある、バート・フライエンヴァルデでした。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-10-20 06:42 | 保養地

オリエンテーリング

この日曜日、友達の「のりあきさん」(女性です)に誘われてオリエンテーリングをしました。
オリエンテーリングというと、本の「おわりに」でも触れているように、子供の遊びというイメージがありますが、実は大人が本気になってやるスポーツでもあるんです。
それを教えてくれたのがのりあきさんで、彼女は夫の「にわっちさん」と何度かスポーツとしてのオリエンテーリングをやっています。

以前にのりあきさんからオリエンテーリングの話を聞いて、1回やってみたいと思っていたんです。そうしたら、先週の金曜日に「1グループ3人でやるオリエンテーリングが日曜日にあるけど、1人来れなくなっちゃったから、KIKIちゃん、どう?」というお誘いを受けました。
「やるやるっ!」と言いたいところでしたが、各人が

山あり谷ありのところを3キロちょっと

と聞いてひるみ、

実は全国大会

と聞いて、すっかりびびってしまいました。

だって・・・初挑戦で全国大会はないでしょう。
それに、3キロって直線距離にしたら、の話です。
ド素人が地図とコンパスだけで山の中に放り出されたら

遭難しちゃうよ(T-T)

え~、どうしよっかなぁ・・・と思っていると、のりあきさん、
「いやー、ブランデンブルク州マニアのKIKIちゃんだしさぁ」とおっしゃる。
会場はベルリンの北東のバート・フライエンヴァルデ (Bad Freienwalde) という街。

あっ、そこはまだ行ったことない!!

ということで、オリエンテーリングに飛び入り参加する事にしました(笑)。

さて、当日。
ゾヤ君も連れて行こうと思っていたのですが、説得に失敗し、私一人で朝5時起き。
ベルリン中央駅を6:34発の電車でGO!
のりあきさんとにわっちさんと車内で合流し、夜明けのベルリンと、朝靄のたちこめる田舎の風景を楽しみつつ、「オリエンテーリングとはなんぞや」というレベルから説明をしてもらいました。
今回は団体戦なので、はじめににわっちさんが走り、その後のりあきさん、最後はにわっちさん同伴で私、というふうにやります。

よかった、遭難しないで済みそうだ☆


さてさて、オリエンテーリングに使うものをご紹介しましょう。

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競技に持って行くものはコンパスとスティック状のチェッカー。
以前はスタンプだったそうですけれど、今ではハイテクなチェッカーを使います。メモリースティックみたいな感じで、チェックすると、通過時間などが記録されます。

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これが、チェックポイント。
棒の上に、チェッカーを差し込む機械がついています。
初めて見て、「え、こんなの見つからないよ・・・」と、思いました。腰より低いくらいの高さのが森の中にポツンと立っていたって、そう目立ちません。それに、会場は落葉樹の林で、今ちょうど紅葉がキレイなので、このオレンジも目を引きそうにありません。

a0104785_6353184.jpg

競技の様子はこんな感じ。
これは、第一走者が来るのをゴールで待ち構えている第二走者。
本当は山の中の写真を撮りたかったんですけれど、そんな余裕こいてる場合ではありませんっ!

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これが私がもらった地図。
チェックポイントは12個あって、それを番号順にチェックしていきます。地図は前の走者から(第一走者はスタートしてから)もらいます。ということは・・・走りながら自分がどこに行くのか決めないといけないわけです。
ちなみに、チェックポイントはたくさんあって、自分の地図に書かれている数字のポイントでなければ見つけても無駄です。コースはいくつもあるようで、前の人について行っても意味がない可能性大なんです。

さあ、のりあきさんから地図をもらって、にわっちさんと行きます!

スタートしていきなりの下り坂。え、ということは・・・
そう、その次は思いっきり上り坂。
あぁ、お尻が筋肉痛になってしまう・・・(><)

そして、途中で2つくらいチェックポイントがあったんだけれど、それは私が探さないといけないのではなくて、ぬか喜び。

「このまま行っていいの?」とにわっちさん
「・・・と思うけど」
「地図よく見てごらんよ、ここに道があるでしょう、これは後ろのあれね」
「えっ!」
「僕はもう見つけちゃったけどね~」

・・・最初のチェックポイントからして難しすぎ(怒)

そして、道なき道をぐんぐん行きます。
私は、そこらじゅうに生えているキノコが気になって気になって仕方なかったんだけれど、そんなことにかまっている場合ではないっ!他の参加者は、山の中を走っています。あんなスピードで走りながらなぜ地図が見られるのか??・・・すごい。

散々迷って、でもなんとか8個目のチェックポイントまでたどり着きました。9個目はゴールに近いところにあって、速い人はここから残りのポイントを3分で見つけてゴールするそうですが、私はここからが大変。だって、8個目のチェックポイントのとこで、にわっちさんが「後は簡単だから1人でいけるよねっ!」って言って帰っちゃったんだもん。
確かに、後から考えると、それ以前のよりは簡単なんだろうけれど、私は10個目を見つけるのに9分近くうろうろしました。それを見つけられたのは、右の方からえっさほいさと来る人が何人かいたらからです(笑)。
コンパス、全然使いこなせてません。

でもまぁ、なんとか残りのポイントもクリアし、無事ゴール。
記録は1時間11分。
ド素人としては、まず帰ってこられただけで十分です。
ちなみに、にわっちさんとのりあきさんは二人とも30分弱でゴールするという、素晴らしい速さでした。

今回の大会に参加している人を見て気付いたのは、参加者の層が広いということ。老若男女、誰でも楽しめるスポーツのようです。プロっぽい人もいる一方で、そうとも思えないようなおじさん、おばさんや、子供もいました。服装も自由で、ピリピリした雰囲気はありませんでした。

自然はゆっくり楽しむものだと思っていたので、山の中をダッシュしていくのはおもしろい経験ではあったものの、私はやっぱり、じーっとキノコを観察したい人です(笑)

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by KIKI-Brandenburg | 2007-10-18 08:18 | ハイキング

中心地の壁画

前回取り上げた、映画「アイゼンツァイト」は、DDR時代と、東西ドイツ統一後のアイゼンヒュッテンシュタットをめぐる人々をとりあげているわけですが、この街だから若者がグレたとか、自殺したとか、そんなことはないですよ、一応言っておきますけど(^^;)

アイゼンヒュッテンシュタットの歴史や東西統一後の試練などについては本にミッチリ書いたのでそっちを読んでもらうとして、本に載せられなかった写真を中心にアップしていきますね。

まず、アイゼンヒュッテンシュタットの中心地について。

駅からどかーんとまっすぐに延びた道(Beeskower Straße)を延々と行くと中心地にたどり着きます。あ、程よいところで左折してくださいね、そうでないと道の名前通り、ベースコウという街まで行っちゃうことになりますから(笑)。
「中心地こっち→」とかそんな気のきいた看板はありません。初めて行ったとき、わたしは思いっきり迷いました。

まぁ、製鉄所がメインの街の中心地ですからね、そんなに派手ではありません。なにをもって「中心地」と呼ぶかというのは微妙なところですが、私の経験からすると
インフォメーションがあるのが中心地
というのがブランデンブルク州の田舎町のお約束です。
それで、そのインフォまでたどり着くのが至難の業だったりするんですけど、まぁ、そのプロセスを楽しむのがDo it yourselfメンタリティーに則った旅のおもしろさということにしましょう。

ということで、インフォのある中心地はこんな感じ。

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そこ、「え~」とか言わないの!これが中心地なの!!
ほら、中心地らしく噴水があって、市民の憩いの場になってるでしょう。
おばあちゃんと孫が楽しそうではありませんか。
四角い窓がならんだ、なんともDDRチックな建物も、ここではちゃんときれいに改装されています。

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木陰で柄の悪そうな若者が駄弁っています。
向こうに見える青色の看板には「EKO Stahl(Stahlは「鋼」)」の文字が。
そして、気になる、というかぜひ気にして欲しいのは壁画。

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おぉ、すごい。最高にDDRチックな壁画です。
DDRの壁画って、独特の骨太な雰囲気や色彩もそうですけれど、やっぱり労働者がメインになっていることや、平和とか繁栄を描いていることなどが特徴的です。
鳩の頭の上に国旗があるの、見えますか?DDRの国旗の左にポーランド国旗、その上にソ連国旗が描かれています。この位置と順序がまぁなんとも「マジ」ですね。

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この壁画は1975年にDDRの切手のデザインにもなっています。

この壁画がいつ、誰によってどういう経緯で作られたのかはわかりませんが、こんなにきれいに残っているというのは嬉しいですね。
この壁画を描かせた国もイデオロギーももうないけれど、街の中心地で、存在感を放っているこの壁画。アイゼンヒュッテンシュタットに行く機会があったらぜひ生で見てください。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-10-11 23:33 | DDRを感じる街

映画:アイゼンツァイト(Eisenzeit)

10月7日は何の日でしょう?

答えはいろいろありそうですが、その1つは
「DDR(東ドイツ)の建国記念日」です。

DDRは1949年の10月7日に出来て、1990年10月3日になくなりました。
東西統一ドイツの建国記念日というのは、DDRの「命日」でもあるわけですが、新しい建国記念日がDDRのより4日早いというのは、意味深ですね。

そんなDDRの建国記念日に、私はゾヤ君と映画を見に行きました。
ウンター・デン・リンデンにある「ドイツ歴史博物館」には映画館があって、そこは商業ベースではおそらく上映できないような古い映画とか、マニアックな映画を上映しているんです。

今回見たのは
「アイゼンツァイト(Eisenzeit)」
という91年の作品。
トーマス・ハイゼ(Thomas Heise)は1955年生まれ、旧東ベルリン出身の映画監督で、(私はこの映画を見るまで知らなかったんですけど^^;)DDR出身の映画監督としては有名な人です。

アイゼンツァイトというと、普通のドイツ語だと歴史上の「鉄器時代」なんですけれど、映画の内容はそれとは全然関係なく、それより「鉄(Eisen)」と「時代(Zeit)」で分けて考えるといいでしょう。

アイゼンと聞いて何か浮かびますか?

アイゼン、アイゼン・・・

本を読んでくれた人ならきっと「あっ!」とくるでしょう。
そう、第5章で取り上げているDDR都市

アイゼンヒュッテンシュタット(Eisenhüttenstadt)

ブランデンブルク州東部にある、製鉄所の街。
「ドイツで最初の社会主義都市」アイゼンヒュッテンシュタット。

映画「アイゼンツァイト」はアイゼンヒュッテンシュタットが舞台なんです。
91年というと、すでにDDRはなくなっているわけですが、この映画は、監督がDDR時代に知り合ったアイゼンヒュッテンシュタット出身の若者を追っていくという形をとっているので、DDRというコンテクストが全面に出ています。

ドキュメンタリーで、とにかく人の話を延々と追っていきます。もちろん全部ドイツ語で、ベルリン/ブランデンブルク州訛りの早口を87分間みっちりリスニング。

ストーリーとしては、アイゼンヒュッテンシュタット出身の4人の若者と、彼らの家族、友達、先生などが、彼らの思い出と、当時のことを話していきます。なぜ思い出かというと・・・その若者のうち、2人は死んでしまったからです。
それ以外にも行方が分からない人などがいて、関係者の話を通して、当時の記憶を呼び起こし、それと同時に、東西統一を経た旧東ドイツの人々の感覚や街の様子をたどるというのが、この映画の内容です。

自殺
アルコール中毒
薬物中毒
失踪
少年院
国家
イデオロギー
芸術
逃亡

というのがキーワードになっていて、

お、重い・・・。

というのが正直なコメント。

結構たくさんの人が出てきて延々と語るので、私は途中で人間関係がメチャクチャになってしまったんですけれど、終わってから「途中で誰が誰だか分からなくなった」と、ネイティブのゾヤ君も言っていたので、それはいいことにしてしまおう。

私としては、誰がどう死んでそれを誰がどう思うか、ということより、アイゼンヒュッテンシュタットという街とDDRというのが、この映画の中でどういう役割を果たしていたか、ということに興味があります。(←お、社会学っぽいぞ^^)

この映画の中で中心になっている若者というのは、「ドイツで最初の社会主義都市の最初の子供たち」なんです。アイゼンヒュッテンシュタットができたのは1950年代初め。「スターリンシュタット」から改名されたのは61年です。
この映画の主人公たちは、ちょうどこの頃に生まれた人達で、彼らの親というのは、戦争を生き延びてアイゼンヒュッテンシュタットの建設と発展―すなわちそれはDDRという国家の建設と発展でもあるわけですが―に人生をかけた人達です。当然、彼らは「筋金入りの社会主義者」。DDRのイデオロギーを疑うということをしなかった人達です。
国家と社会主義というものにドップリ浸かった親や大人に、子供は反発するのだけれど、そこにはどうしようもないジェネレーションギャップがあるんです。だって、子供達は西側でヒッピーが闊歩する時代に多感な時期を過ごすわけですよ。戦争とDDR初期の高揚感を経験していない若者達は、DDRの閉塞感に堪えられない。
そして、国家のイデオロギーとぶつかりながら青春を過ごしたのに、あるとき突然国家そのものが消滅してしまって、全く違った価値観の中で生きることを要求される。考えてみれば、残酷な話です。

この映画を見終わって、ゾヤ君は「僕はあの若者たちより5年くらい遅く生まれててよかった」としみじみ言いました。ゾヤ君は1969年生まれなので、年齢的に、彼らほどDDRのイデオロギーと激しく衝突することはなかったみたいです。

ベルリン/ブランデンブルク州訛りで全然飾りっ気なく話をする、この映画の中の人々は、特にインテリというわけでもないし、演技をしているわけでもないのですが、どこかでとても深く物事を考えているな、という印象を受けました。自分の意見がちゃんとあって、それを言語化できる。
社会主義のイデオロギーと日々対峙してきた人というのは、資本主義の中で―というか、自分が資本主義の中で生きていることを実感する事もなく―「なんとなく」暮らしてきた人々とは、思想的なレベルで鍛えられ方が違うのかもしれません。

「もし私が20年早く、DDRに生まれていたらどんな人生を送ったんだろうか?」ふと、そんなことを考えました。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-10-09 06:51 | DDRを感じる街

映画:ノイラント(Neuland)

愛著書「がんばれ、ブランデンブルク州!」も無事に世に出たことですし、さっそくマニアックに旧東ドイツについて書いてみましょう。

ドイツに住んでいる人でも、鳥瞰図的な旧東ドイツの現状ってなかなか見えないものだと思います。
本でも書いているように、ブランデンブルク州に限らず、旧東ドイツというのは、興味と知識がないと「なにも見えない」土地なんですよね。

もうバッチリ見えちゃってる(?)私に言わせると、現在進行形の旧東ドイツというのは

混沌としていて
想像を絶するものがたくさんあって
ドラマチックです。


そんな旧東ドイツのいろんな面が見えるドキュメンタリー映画があります。
「ノイラント(ノイ=新しい、ラント=土地)」
という、2007年に出来た、1時間ちょっとの映画です。
作ったのは二人の若い映画制作者で、インタビューをメインに、旧東ドイツの現状と、変わりゆく土地を映し出しています。
私は、この映画が封切られた時にベルリンの小さい映画館で見て、そのあと、以前に取り上げた「調査旅行」のゼミでも参加者全員で見ました。

現代の旧東ドイツというのは、社会学などで面白いとらえられ方をしています。
簡単に言うと・・・旧西ドイツや他の国では起きない規模やスピードで社会問題(過疎化、高齢化など)が起きる「問題が山積みの地域」だけれど、同時に、そんな土地だからこそ出来る発想の転換や、価値観や、実験的な取り組みがある、言ってみれば可能性の宝庫です。

この「ノイラント」という映画は、それをうまーくまとめているので、現在進行形の旧東ドイツを知る取っ掛かりとしては超オススメです。

日本でこの映画を見る機会はおそらくないだろうし、何しろ全部ドイツ語(部分的には字幕つきのキツイ方言)なので、かなりのドイツ語力がないと理解するのは難しいかもしれないけれど、映像として見てみるだけでも衝撃はあると思います。

ネットにこの映画のサイトがあって、そこで4分ほどのダイジェスト版を見ることが出来るので、怖い物見たさでいかがですか(笑)?
サイトはここ。飛んだらPlayをクリック。
Quicktime Playerをダウンロードしていれば見えるはずです。


☆☆☆☆☆以下、解説☆☆☆☆☆

最初に映る、砂漠みたいな光景、これが本の第7章で取り上げている褐炭の採掘(跡)地です。上空から撮っているシーンもあって、グロースレーシェンだとわかる場面もあります。後のほうで出てくる湖の連なる地域、あれはほぼ間違いなく「ラオズィッツ湖水地方」です。

始まってすぐに、女の人が誰もいないところでフラダンスを踊っているシーンがありますね。あれは「トロピカルアイランド」という、ブランデンブルク州南部にある、(いろんな意味で)面白い娯楽施設です。

その後で出てくる、コンピューターグラフィックは、街がどうやってなくなっていくかをシュミレートしています。

ぼそぼそと話をしているのは、将来の希望が持てない若者。
映画館で力説する女性は、理想を掲げた映画館経営者。

バッファローを飼育するおじさんの後で出てくる工場跡は、ラオズィッツの国際建設展(IBA)の援助を受けているプロジェクト。工場跡を体験型の醸造所にするそうです。

カタツムリについて語る若者は、ザクセン州で食用カタツムリを飼育しています。
ニッチに目をつけた実験的ビジネスの例ですね。

買い物の際にチケットを出しているシーン。
これはザクセン=アンハルト州で、お金のように使えるチケットです。

その後に話をしているおじさんは、村々がバイオマス(エコ燃料)を使う発電所をもって、自立することは理論的には可能であると言っています。

最後に話をしているおじいさんとお兄さんは、自給自足のコミューンで暮らしている人達。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ダイジェスト版でも、結構見ごたえがあると思います。
現在進行形の旧東ドイツってこんなところだったんですよ(^^)

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by KIKI-Brandenburg | 2007-10-07 06:54 | 現代旧東ドイツを知ろう

本が来た!

昨日の午後、ゾヤ君が「まったく、なんで普通に配達してくれないんだろうね!」と言いながら私に紙を手渡しました。
日本からの小包の宛名のペラと一緒にホッチキスでとめられた小さな紙。憂鬱な、くすんだ緑色をしたその小さな紙、
税関からです。
・・・やっぱり引っかかったな。
もう心の準備は出来ていました。チェックされずに届いたらラッキーだな、とちょっと期待もしていたけれど、普通に考えて引っかかるものだもの。

そう、「作品社」さんに、出来たばかりの私の本「がんばれ、ブランデンブルク州!」を50冊送ってもらったんです。
以前に実家から結構な数の本を送ってもらった時に、母がバカ正直に書いた本の値段に関税をかけられたことがあったから、本だけが50冊も詰まった小包など、開けられて「税関に来い」となるに決まってると思っていたんです。

ドイツに何年も暮らしている人は、一度くらいは税関で嫌な思いをしていることでしょう。
疑う事を仕事とするお役人がフレンドリーなわけがない。
やましいことは何も無いとはいえ、できれば行きたくなかった税関。
行ってきましたよ、今日。

家からそんなに遠くないとはいえ、駅と駅のちょうど間にあるという時点で、もうすでに「タチの悪さ」を醸し出している税関。
前回の教訓を生かして、今回は楽に荷物を運べるように折りたたみ式のカートを持参しました。

そんなに混んでいなくて、はじめに対応してくれたおじいさんは結構普通。
「お、今回はついてるかも♪」と思いきや、しばらく待たされた後に私を呼び出したおじさんはかなりのクセモノ。
まず、顔つきが険しすぎ。普段笑っていない人というのは、ムッツリ顔が染み付いちゃっているんですよね。
そして、早口でつっけんどんな質問をする。コンテクストを相手に理解させないまま「なんで分からないんだ」という態度をとる。
そして、仕事だからしょうがないとはいえ、相手の身元をはなっから疑ってかかり、こっちが説明することを「そんなことは関係ありません」とバッサリ切り捨てる。
根本的に、目の前にいる人間を、自分と同じ人間だと思って扱ってないんですよね。

あんた、サイテー!!

とブチ切れて毒を吐きたいところですが、それをやっては話が余計ややこしくなるだけ。
こういう相手は

微笑み倒す

しかありません。ひるんではいけない。余裕こいてエレガントに笑うべし。
相手がつられて微笑むまで、穏やかに、にこやかに、質疑応答あるのみ。

「荷物の内容と数と価格を書いた書類がいる」とのたまうムッツリおじさん。
・・・知らないよ、そんなん初めて聞いたよ、誰がそんなこと決めたのよ。
「そういうのを出版社が作らないといけない」とほざくムッツリおじさん。

ふざけんな、ごらぁ!と思いつつ、指先が冷たくなるのを感じつつ、

背筋伸ばして微笑み倒しましたよ、私。

ムッツリおじさん、ちゃんと関税の書類を作ってくれた。
ドカンと関税取られるに違いないと、来る前に銀行でお金下ろしてビクビクしていたんだけれど、35ユーロで済みました。
あぁ、怖かった。両手が汗でぐっしょりでした。


さてさて、そんな試練を乗り越えて私の部屋に来た本と、感動のご対面です。
ドキドキ。
箱をあけて・・・拍手。一人、部屋で拍手喝さい。
よくできました。
すごい。本当にできてるじゃないか。
読み飽きた文章が、見飽きた写真が、図が、ちゃんと本になってる。
本当は子供を産みたいんだけれど、それはムリっぽいから、私は本を産むことにしたんです。産まれたよ。
27歳で一冊のママになりました(笑)。

さて、これでこのブログの「課題図書」が出来上がったわけです。
課題図書って、そうならないと自分では読まないような本だけれど、読んでみるとまぁそれなりに面白い。読んだ人と話題を共有できるし、「ああ、あれなら読んだよ」って言えるし(^^)。
親馬鹿ならぬ、著者馬鹿かもしれないけど、かわいい本なので読んでやってください。

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by KIKI-Brandenburg | 2007-10-03 06:38 | 著書について