ブランデンブルク州、旧東ドイツ、ベルリンを楽しもう
by KIKI-Brandenburg
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   ★KIKIの自己紹介★
岐阜県生まれ、岐阜県育ち。
立教大学文学部ドイツ文学科卒業。同大学在籍中、交換留学生としてベルリン・フンボルト大学へ留学。
立教大学卒業後、フンボルト大学に正規学生として入学し、ヨーロッパ民俗学とジェンダー学を専攻。
2007年9月下旬に著書「がんばれ、ブランデンブルク州!」を出版。アマゾンなどネットの本屋さんでも買えます。「がんばれ、ブランデンブルク州!」で検索してください。ベルリンではDDR博物館でも売っています。興味のある方は私に直接問い合わせてくださっても結構です。

2008年8月の終わりに娘が産まれました!育児ネタもちょくちょくあります。

ドイツ語のプライベートレッスンをしています。興味のある人はここか、直接こっち(別ブログ)に飛んでください。

      ★お願い★
このブログ内の文章や写真に興味を持って引用/転載してくださる場合は、出典として明記してください。ネットの場合はリンクを張ったりトラックバック機能を使ってください。そして、そんな名誉なことがあれば、KIKIはぜひ知りたいので、ご連絡ください。

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生物圏保護区の危機(2)

生物圏保護区ショーフハイデ=コリーンを巡る議論の続きです。

ブランデンブルク州北部で作られたエコエネルギーを他の地域に引っ張ってくるためには高圧電流の鉄塔が必要で、それが生物圏保護区を通るのは仕方ない。・・・というのが電力会社ヴァッテンファルの言い分なのですが、本当にそれは仕方なくて、当然のことなのか?というと、そんなことは全然ありません。反論する根拠はいろいろあります。

まず、環境保護の面から。
・高圧の電流が直接流れる鉄塔を作ると、そこで鳥が感電死する可能性があります。生物圏保護区にはいろんな鳥がいるわけで、鳥類保護の観点からすると言語道断です。
・延々と鉄塔が続くことで自然保護区としての景観が損なわれます

地元住民にとって。
・高圧電流というのはそもそも体によくないみたいで、発ガン性があるそうです。最悪、住民に健康被害が出ます。

環境保護&地元としては、百歩譲って、せめてそのケーブルを地下に埋めてくれと言っているのですが、それは地上に鉄塔を建てるよりはるかにコストと時間のかかることなので、電力会社はやる気なし。
でも、地元の要求っていうのはそんな高飛車なことでもないんですよ、だって、ニーダーザクセン州やバイエルン州では、センシティブな地域(多分自然保護区とかのことでしょう)に高圧電線を引く事を禁止する法律があるんです。いってみれば、他の州では非合法なことを電力会社はブランデンブルク州でやろうとしている。弱いところを突かれたというか、経済優先というか。

この鉄塔を巡る問題で「なるほどー」と思ったのは、これが単純にブランデンブルク州北部の話だけで済んでいないことです。
電力会社がさっさと鉄塔を作りたがっている背景には、将来的に東ヨーロッパから電力を引っ張ってくる計画があるからです。こうなると、単純に一企業の利益というだけでなく、エネルギー政策というか、政治的なニュアンスも絡んできますね。
それで、東ヨーロッパやロシアから引っ張ってこようとしているのが、原子力や石炭を使って作った電気です。・・・現在、ドイツはG8の中で原発廃止ということにこだわっている唯一国だということを考えると、「自分の国の中では廃止しておきながら、他の国で作られたエネルギーに頼るつもりですか?」と非難されてもしょうがないでしょう。そして、政治的な決断が下される以前に、すでに電力会社はいろんな計画を立てている。・・・いいんですか、それで(--;)。

さらに私がカチンときたのは(←ええ、もちろん来てます)、ドイツの北東部(ってことは旧東ドイツがメインでしょう)の風力発電で作られた電気がドイツの南西部に輸送されているということです。将来的にはバルト海で作られた電気もそっちにいくらしい。
・・・えぇ?経済に詳しくないから分からないだけかもしれないけれど、なんで東の隅っこで作られた電気が対曲線の反対側にある地域に運ばれなきゃいけないだろう?そんなことをすれば輸送にも時間とコストがかかるし、途中で失われる電気も多いだろうに。

そして、ガーンときた(←きてる、きてる)のは、ドイツの「再生可能なエネルギー」の41%は旧東ドイツで作られているけれど、旧東ドイツで使われているのはそのうちの18%に過ぎないということ。
経済云々と関わりのない者のナイーブな発想かもしれませんけどねー、なんで地元で作ったエコエネルギーをできたてほやほやで地元の人に使わせないんだろう?高いからかな。鉄塔だのなんだの作って無駄なことする以前に、旧東ドイツ全体をエコエネルギーでカバーすることだってできるはずなのになぁ。
ブランデンブルク州南部からザクセン州北部にかけて(「ラオズィッツ」著書第7章参照)では、まだ石炭を採ってます。そのためにこれからもたくさんの村を立ち退かせて、地面を掘っていく気でいる。そんなことしなくてもいいはずなのにまだやっているのは、やっぱり経済優先&安い電力ってことにこだわってるからでしょう。

考えてると悲しくなってきます。少なくともエネルギー関係においては、旧東ドイツというのはまるで発展途上国のような立場じゃないですか。自分のところで消費しないものを安く作って、それをリッチなエリアに供給している。「カカオ農場で働く人たちはチョコレートを食べていない」って話みたい(T-T)。なんかフェアじゃないな。

ヴァッテンファルがどこまでアクドイのか(笑)ってのは分かりませんが、ブランデンブルク州&Co.の電気関係のことはこの会社がやっていて、ラオズィッツの石炭にしても、ウッカーマークの風力発電にしても、この会社が絡んできます。利益を追求することが企業の仕事とはいえ、私はどうも気に食わないので、ウチはヴァッテンファルから電気を買ってません。もっとエコにやってるエネルギー会社があるので、ちょっと高いけど、そこの電気を使っています。ゴマメの歯軋りといえばそうですが、エコとかフェアトレードとか環境問題とかはゴマメの歯軋りをみんなでやることで動いていく事だと思うので(チーム・マイナス6%とか、いいんじゃないですかね^^私は何気に参加してますよ☆)こんなブログでもブツブツ言ってみたくなります。

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by KIKI-Brandenburg | 2008-07-27 00:19 | 自然保護区/公園

生物圏保護区の危機(1)

ベルリンの北東、バーニム郡とウッカーマーク郡(著書132ページ参照)にまたがる地域に、ユネスコに登録されている自然保護区「生物圏保護区ショーフハイデ=コリーン(Biosphärenreservat Schorfheide-Chorin)」(公式ホームページはここ)があります。現在、この生物圏保護区の存続にも影響しかねない問題が持ち上がっているのでご紹介します。

自然保護区というのが、必ずしも「まぁステキ~♪」というものではなく、場合によっては地元の産業や人々の暮らしを脅かすものであるということについては「国立公園シリーズ」を読んでくださったかたはもう分かっていると思うのですが、今回の場合は、対立の構造としては地元vs大企業です。

ベルリンから離れたブランデンブルク州の田舎に行くと、いたるところに風力発電の風車とか、バイオマスのプラントみたいなのがあります。エコエネルギーとか、再生可能なエネルギーとか、そういう部類に分類される方法で発電をしているんです。そういうのができるのは田舎ならではだし、原発だの石油だのに頼るよりはよっぽどいいと思います。
ただ・・・そうして(ド)田舎で作られたエネルギーを遠くの街や地域に引っ張ってくるにはケーブルとか鉄塔とか、そういうのが要ります。今回の問題はそれが焦点。

ベルリンや旧東ドイツあたりの電気というのは、スウェーデンのエネルギー会社「ヴァッテンファル(Vattenfall)」が管轄しています。それで、ヴァッテンファルはブランデンブルク州北部で作られた「エコエネルギー」を他の地域に回したいともくろんでいて、そのために高圧電流の流れる鉄塔を作る気でいます。

a0104785_19183070.jpg
高圧電流の流れる鉄塔というのは多分、こういうやつ↑。これは以前ベルリンの東のアルトランスベルクにサイクリングに行ったときにあったものです。高さ50メートルくらいのこういう鉄塔を延々と作って電気を運ぶのです。・・・そして、それがどうやら例の生物圏保護区を通るらしい。

というのが今回の問題です。
こんな鉄塔を生物圏保護区に作るっていう発想自体が間違っていると思うのですが、企業側の理屈からすると、作らなきゃいけないんだからしょうがない。でも、自然保護を優先するのが自然保護区の本来の姿じゃないのか?いくら大企業とはいえ、自然保護区を危機に晒してまで一企業の利益を優先させる必要があるのか?当然、環境保護系の人や地元の人は反対するわけです。
それに微妙なんですよね・・・エコエネルギーは大いに結構。でも、エコならなんでもいいのか?エコエネルギーのために何が犠牲になっているのか?そうやって作られる「エコ」は本当にエコなのか?私たちが「エコだから」と安心して(高いお金を払って)消費するものが、実は意外なところで意外なものを犠牲にして成り立ったものかもしれない・・・。

長くなるので、続きはまた今度!

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by KIKI-Brandenburg | 2008-07-23 19:45 | 自然保護区/公園

国立公園(7):行ってみよう!

長々と続いてきた国立公園シリーズ、これで最終回です。

めでたく(?)エコツーリズムも解禁されたわけですし、実際に行ってみましょう。
オーダータールというのは、ベルリンからかなり離れているので、Cゾーンのように気軽にふらり、というわけには行きません。でも、せっかくだから、この地を訪れる際のヒントをいくつかご紹介します。

私のように車を使えない人は、ゴトゴトと電車に揺られて、終点のシュヴェートまで行くのが一番簡単です。持っていくものはなんと言っても自転車!
ベルリンから出かける場合は、自転車持参でいくのが賢いでしょう。街の中を移動するにも便利ですし、国立公園に沿って、「オーダー・ナイセ・サイクリングコース」の一部があるので、ここまできてサイクリングをしない手はないのですっ!

街の中に国立公園のインフォがあるので、そこで情報収集をしたら、川のほうへ向かいます。そうすると
a0104785_4475263.jpg

こんな、大きな橋があるはず。これがポーランドに続く道です。

この川はオーダー川ではなく、それと平行して作られた水路です。
この川の向こうに湿地帯が広がっていて、それを超えるとオーダー川の本流があり、それがドイツとポーランドの国境です。国立公園の中は、決められた場所以外、自転車で入る事はできないし、サイクリングコースはこの水路に沿って作られています。

以前、ヨーロッパ民俗学のゼミでこのエリアを自転車で回ったときは、シュヴェートから南下して、国立公園の博物館&事務所があるクリーヴェン (Criewen) という村に行きました。
シュヴェートの中心地では、水路は幅も広いし、岸辺もキッチリ整備されていますが、ちょっと外れるとこんな感じ。
a0104785_4482517.jpg

自然の川みたいでしょう。

サイクリングコースはこんな感じ。右が水路、左が国立公園。
a0104785_4485593.jpg

ちゃんと舗装されているので、快適なサイクリングができます。時々車も来るけれど、基本的に自転車しか通らないようなところなので、のんびりシャコシャコこいでいると本当に気持ちいい。

a0104785_4492539.jpg

延々と広がる湿地帯。その上をひゅーんと鳥が飛んでいたりして、静かでいいですよ。

このサイクリングコース、かなりオススメなんですが、実際に行くとしたら・・・

・飲み物&食べ物を持っていく
・どこから帰るか前もって計画を立てる


という、この2点を忘れてはいけません。

シュヴェートを離れると、北上しようが、南下しようが、村しかありません。ところどころにレストランはありますが、数も限られているし、気の利いたスーパーなどは見当たらないので、食料と水は確保しておくのが賢明です。

サイクリングコースは延々と続いているんですが、問題は電車の駅がないということです。ベルリンに電車で帰るとなると、シュヴェートまで戻るのが一番確実です。
シュヴェートから南下する場合はアンガーミュンデ方向の駅に、北上する場合は国境の駅タントウ (Tantow) あたりに行くのもいいでしょうが、どっちにしろ、サイクリングコースからは結構離れているし、そもそも、電車の本数があまりないので、気をつけましょう。

「ドイツの秘境」なブランデンブルク州の中でもかなりの「秘境」と思われるオーダータール。今後、どういう発展をしていくのか、まだまだ目が離せません。

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by KIKI-Brandenburg | 2008-02-07 05:11 | 自然保護区/公園

国立公園(6):法改正

晴れてオープンしたものの、厳しい自然保護規則で住民とのトラブルが続いた、国立公園ウンテレス・オーダータール。これを見かねたブランデンブルク州は解決策に乗り出します。

以前にも説明したように、ドイツの国立公園というのは、州のレベルでいろんなことが決められて、それを国のレベルで承認する、というスタイルをとっています。だから、国立公園に関わる直接的なことは州が管理できるんです。

国立公園をめぐるごたごたには、簡単に言うと、次の人たちが関わっています。

近隣の住民:自然保護に反対ではないけれど、人間の生活も考えて欲しい
企業:経済活動を規制されるのは困る
農業/漁業関係者:自分たちの生活基盤を脅かさないで欲しい
観光業:エコツーリズムをもっとやりたい

               VS.

国立公園:厳しい規制は当然のこと
自然保護団体/研究者:自然保護が第一
ブランデンブルク州:せっかくの国立公園をつぶすわけにはいかない

それぞれの立場を考えると、もっともな言い分ばかりです。
しかし、いつまでもギクシャクした関係をつづけるのは無理ですし、せっかくの国立公園なんだから、みんなに愛されるものであってほしいですよね。そこでブランデンブルク州は法改正に乗り出します。

2006年の10月、ブランデンブルク州議会で国立公園に関する法律が改正されました。住民の側に大幅に歩み寄った、大胆な妥協案です。

まず、みんながやきもきしていたタイムリミットを帳消しにしました。
国立公園は、面積の半分以上が一般の人が入れない地域(Totalreservat)でないといけなくて、それを2010年までに確立するというのが当初の法律で決められていました。この、2010年というリミットをなくしてしまったのです。
え、そんなんでいいの?と思ってしまいますが、期限をなくしただけで、面積の半分以上をTotalreservatにするという目標は変わっていません。それまでなくしてしまったら、国立公園の資格を剥奪されかねませんからね。
なんだか、詭弁という感じがしないでもないですけど、これで国立公園側が焦ることもなく、住民に無理強いすることもなく、まぁ、ぼちぼちやっていこうや(^^)、ということになったわけです。

そして、住民にとってよかったのは、エコツーリズムが解禁されたことです。
もちろん、一部の限られた地域ではあるものの、水泳、散策、カヌー、乗馬、キノコ狩りなどができるようになりました。これで、地元の人々が気軽に自然を楽しめるようになり、さらに観光客にもそれなりのアクティビティーを提供できるようになりました。

あとは、ごく一部の伝統的な漁師はTotalreservatで釣りをしてもいいとか、企業が求めていた道の建設もOKされました。(規模はかなり小さくされたようです)

ちょっと、ブランデンブルク州、
そんなに妥協していいんですか?!
と、私はびっくりしましたよ。
でも、このくらいまでやらないと、もうニッチもサッチもいかないところまで来ていたんでしょうね。この法律は、「自然が自然のままでいられる」という国立公園の理念に反しているんですけれど、そんなことを言っていると住民から総スカンを食って、国立公園の存続そのものが危うくなる、という危惧があったんだと思います。

何事も妥協・・・。

なんだか、すごくブランデンブルク州っぽいな
理想を追う余裕がないというか、なんでいつも切羽詰って妥協なんだろう、という気がしないでもないけど、ま、いいじゃん、ブランデンブルク州の国立公園らしくて。これでみんながそこそこハッピーになれるならいいじゃん。
写真はブランデンブルク州の環境省www.mluv.brandenburg.deより
a0104785_01253.jpgま、カタイ事いわず、どうよ、カヌーでも(笑)。カヌーが環境にどういう悪影響を与えるのか知らないけれど、観光客としてなら、私も一回乗ってみたいです。自然を肌で感じながらゆっくり過ごすなんて、なかなかいいじゃん、と思う私は、環境保護のなんたるかを分かってない俗物かもしれませんけどね、いいと思いますよ、私は。

ということで、国立公園をめぐるいざこざは、なんだかゆる~く、解決してしまいましたとさ♪

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by KIKI-Brandenburg | 2008-02-01 00:41 | 自然保護区/公園

国立公園(5):できたのはいいものの・・・

まだまだしつこく続きますよ、国立公園シリーズ!

1995年に、晴れてブランデンブルク州唯一の国立公園として承認されたオーダータールですが、その後、いろんなゴタゴタが起きます。栄えある国立公園としてオープンしたのに、一体何があったのでしょう?

根本的な理由は、この土地が自然保護と縁のない歴史を辿ってきた事にあります。そう断言できるかどうか知りませんが、これが私の論文のテーゼだったんです(^^)。

オーダータールが自然の宝庫として注目されるのはドイツ東西統一後の話ですからね。それ以前は、政治的にタブーとされた地域、もしくは、人が入ろうにもろくに入れない地域に過ぎなかったわけです。
そして、DDR時代は、オーダータールの近くというのは、徹底的に人が手を加えて活用する地域だったんですよね。オーダータール沿いの街シュヴェートにはコンビナートができ、それ以外のエリアでは大規模農業をやっていた。国立公園の理念、簡単に言うと「自然が自然のままでいられる地域」というのとは正反対なことが行われていたわけです。

そんな地域だから、基本的に、そこに住む人々に「自然を大事にしなきゃ云々」なんていう意識が無いわけです。

それに、観光地として開発できない自然というのは、面倒なんです。だって、お金儲けができないでしょう。「エコツーリズム」にもあんまり期待できないんですよ、だって、人が立ち入れない地域が多いし、下手にホテルだのレストランだの建てるのもNGですからね。

それなのに、これしちゃダメ、あれしちゃダメ、という規則だけは山ほどある。以前は人が入れた地域が立ち入り禁止になってしまったり、魚釣りをしてはいけなくなったりして、住民にとっては迷惑この上ない。

そして、土地をめぐるいざこざが多発しました。国立公園を作ったと言っても、所々に個人の私有地があったんですね。それを公的な団体が買い上げて保護区にする、ということがおこなわれたんですけれど、その際に、土地を高く買いすぎただの、買わなくてもいい土地まで買っただの、買い方がメチャクチャだの、いろんなトラブルが発生したんです。
土地の問題に絡んで批判を浴びたのが、徹底した動植物の保護規則です。特に、オーダータールには絶滅危惧種の鳥類がたくさんいて、その保護というのは何よりも重視されました。

a0104785_454393.jpg写真は自然保護団体NABU(www.nabu.de)より。
これはウズラクイナという鳥で、ドイツ語ではWachtelkönig(直訳すると「ウズラの王様」)というのですが、これが特に大事な鳥なんですよ。私、ドイツ語の名前聞いたときに笑っちゃったんですけどね、だって、
ウズラの王様ですよ、あっはっは。
まぁ、ウズラのでっかいヤツなんでしょうね、きっと(本物を見た事ないです)。
でも、待遇はバッチリ王様なんですよ。だって、この鳥がいるところは速攻、鳥獣保護区になるんですから。ある日突然畑にこの鳥が来たら、その畑の持ち主は畑を手放さなきゃいけない。地元住民にとっては、王様というより、招かれざる客なんですけれど、とにかく、絶滅危惧種の保護は国立公園のミッションです。お鳥サマがいらっしゃったら人間はどかないといけない。理屈としては分かるけど、人間より鳥が大事なのか(怒)って、なりますよね、地元住民の間では。

地元住民とのゴタゴタだけでなく、地元の産業との折り合いをつけるのも大変でした。
だって、もともと、こんなの↓があるんですよ。
写真はPCK(www.pck.de)より。

a0104785_4331883.jpg
この石油化学コンビナート&Co.というのは、川とは反対側のところにあるのですが、オーダー川に直接面したところに、これまた巨大な製紙工場があります。
川をまたいで道やパイプラインを作りたいとか、川にもっと大きな港を作りたいとか、「ちょっと、ここ、国立公園なんですけど・・・」っていうようなことをやりたがったわけです。

こういう工場だけではなく、もともとあった大規模農場にも影響が出ました。保護区と被ってしまったところは立ち退きを迫られ、鳥が来たばっかりに、代々やっていた畑を手放さざるを得ない人たちもでてくるわけですから、地元の産業にはかなりの打撃です。

正直言って、地元住民もここまでの負担を想像していなかったんですね。
「家の近くに国立公園ができるんだって、楽しみだね☆」なんて思っていたのに、ふたを開けてみれば、面倒が増えたばかりか、運が悪ければ生活の基盤を脅かされる。そこまでの犠牲を払っても、地元が観光で潤う事も無く、住民に返ってくるものは何も無い。
「自然保護は大いに結構。でも、人間の生活を無視しないでくれ」という雰囲気になり、次第に国立公園側との亀裂が表面化してきました。

さて、どうなる、オーダータール?ということで、続きますっ!

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by KIKI-Brandenburg | 2008-01-29 05:18 | 自然保護区/公園

国立公園(4):東西ドイツ統一後

20世紀の前半にようやく開発されたものの、DDR時代にはまったくと言っていいほど注目されていなかったオーダータールですが、東西ドイツ統一後、この状況は一変します。

1995年にオーダータールはドイツで12番目の国立公園として正式に認められます。この背景には何があったのでしょうか?

以前説明したように、国立公園をもつことはある種のステータスなので、旧東ドイツのブランデンブルク州にも1つできることになりました。
さて、どこにつくろう??となったとき、いくつか候補はありました。そりゃ、面積の3分の1が自然保護区になるような州ですからね、自然の豊かな地域や、伝統的に保護されてきた地域もありました。
でも、問題は、国立公園の保護基準でした。国立公園というのは、国が認める保護区であるばかりでなく、国際的な基準にあっていなければいけません。そうでなければ、観光やイメージアップを図るために、いたるところに国立公園ができてしまいますよね。

自然保護区というのは、いろんなバリエーションがあって、国や国際レベルで規則や保護の目的というのが定められています。その中で国立公園というのは、一番規則が厳しい自然保護区なんです。簡単にいうとですね・・・

・一般の人が入れない地域が全体の半分以上ないといけない
・観光や地域開発のための公園ではない
・徹底した動植物の保護が目的

という感じです。となると、必然的に「人里離れた」ところになります。

a0104785_4465430.gif
図はWDR5のホームページ(www.wdr5.de)からお借りしました。
これがドイツの国立公園の一覧図なんですが、海とか山岳地帯が多いんです。人が入らないところ、入れないところ、もしくは入れないようにするのが比較的簡単な地域ですね。そうでないと、「全体の半分の地域が人の入らない地域」というルールに触れてしまうからです。

こうなると、海も山もないブランデンブルク州というのは大変です。
確かに、自然の豊かな地域はたくさんあるのですが、そういうところは保養地や観光地として開発されてしまっていて、国立公園の基準に合いません。

そこで白羽の矢が立ったのがオーダータールです。
なにしろ、国境と湿地で、人が立ち入る事のできなかった地域は珍しい動植物の楽園です。それに、DDR時代に、すでに「ラムサール条約」の保護下にも入っていて、国際的なお墨付きもちゃんとあります。そして、もともとポーランドとつながっているオーダータールですから、将来的には「国際国立公園」として扱う事も検討されました。

よっしゃ、オーダータールに決まりっ!!

ということで、ブランデンブルク州唯一の国立公園がオープンしたのですがー・・・そんなに楽ちんぽんに事が運ぶわけ無い、というのがブランデンブルク州のお約束です。次回は、この国立公園を巡るいざこざについて。(つづく)

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by KIKI-Brandenburg | 2008-01-27 05:16 | 自然保護区/公園

国立公園(3):DDR時代のウンテレス・オーダータール

20世紀になってから本格的に開発されたウンテレス・オーダータールですが、その後はどうなったのでしょうか?

この地域を考える上で決定的に重要なのは、第二次世界大戦後の国境の移動です。
本でも説明しているように、第二次世界大戦が終わるまでのドイツ帝国というのは、今のポーランドやロシアの一部を含む、現在のドイツより東に大きく広がった国でした。それが戦後、オーダー川が国境になる事で、川を隔てた向こう側が突如外国になってしまったんでしたね。
この話はウンテレス・オーダータールにも当てはまります。
かつてはオーダー川をはさんだ広大な湿地帯だったウンテレス・オーダータールは、戦後、ドイツ側とポーランド側では、全く違った発展をしていきます。

ドイツ側では、戦争で破壊された水門などは修復されましたが、ポーランド川ではほとんど手が加えられないまま、人が住まない地域として放置されました。ポーランド側は今でもそんな感じです。

では、ドイツ側はどんな歴史を辿ったのか。DDR時代のウンテレス・オーダータールに目を向けてみましょう。

まず重要なのは、シュヴェートの存在です。60年代に、本の第5章で登場する、あの石油化学コンビナートの街が建設されますね。この街は、工業都市として、また、この地域の中心都市として栄えていきます。

シュヴェート以外はどうだったかというと、簡単に言うと、大規模農業が盛んな穀倉地帯になります。

ここで、「え、やばくない?」と思いません?だって・・・工業都市と大規模農業ですよ。
いかにも環境に悪そうじゃないですか!

それに、環境保護の概念が一般に広がる以前の話ですからね。大気汚染・水質汚染はもちろん、農薬をガンガン使う大規模農業も、とてもではないけれど自然保護と共存できるようなものではありませんでした。
現実にどんな環境破壊があったかということは置いておくとしても、大事なのは、そういう「土地柄」です。自然と共存していくというより、自然を克服していくというか、人間の力でどんどん新しい道を切り開いていくという雰囲気が、DDR時代のこの土地にはあったはずです。

そうしたことに加え、ウンテレス・オーダータールが自然の豊かな土地として認識されなかった理由のひとつは、国境沿いが立ち入り禁止区域になっていたからです。ある意味、タブー視された地域で、一般の人が気軽に入れるような場所ではなかったんです。

DDR時代にも、それなりに自然保護区などはありました。今と違って、地域全体を保護するというより、ピンポイントで特定の場所を保護する感じです。
私が個人的に面白いと思ったのは、後に国立公園になる地域に、この自然保護区がほとんどないばかりか、ハイキングの手引きのようなものにいたっては、ウンテレス・オーダータールを完全にスルーしていたことです。

おもしろい・・・これはどういうことか?

そもそも、この地域の自然が、意味あるものとして、保護する価値のあるものとして認識されていなかったということなんじゃないでしょうか?みんなが素晴らしいと認めるものだったら、国境沿いだろうがなんだろうが、もうちょっとなんかしてもよかったでしょう。なのに、スルーですよ、スルー!

一般レベルでは全く無視されていたウンテレス・オーダータールですが、ごく一部の自然保護や動物保護の分野では、この土地の自然が価値のあるものであるという認識があったようです。
後にウンテレス・オーダータールが国立公園になる理由として重要なのは、1971年にラムサール条約(湿地の保護に関する国際条約)の保護下に入ったことです。
といっても、それもそんなに強力な拘束力のある条約ではないし、一般のレベルでは多分知られていなかったでしょうね。

という感じで、DDR時代のウンテレス・オーダータールというのは、国境沿いで、石油化学コンビナートと大規模農業の傍らで、息を潜めていたような土地でした。この地域が脚光を浴びるのは東西ドイツ統一後です。(つづく)

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by KIKI-Brandenburg | 2008-01-23 06:35 | 自然保護区/公園

国立公園(2):ウンテレス・オーダータールという土地

ブランデンブルク州唯一の国立公園とはどんなところなのか?
まずは理屈っぽくはじめてみましょう。

この国立公園の名前の由来ですが、そもそもこの公園に当たるところが「ウンテレス・オーダータール」というからです。ドイツ語ができる人なら、この地名を

ウンテレス (Unteres):下の
オーダー (Oder)」:オーダー川
タール (TalもしくはThal):谷

の3つに分解できるでしょう。となると、単純に考えてウンテレス・オーダータールというのは「下のオーダー谷」ということですね。

地名というのは、どうでもいいようで、時々「なるほど!」というような情報を導き出してくれます。本では「フォアポンメルン」の由来についてちょっと触れていますけれど、背景が分かるとなぜ「前ポンメルン」なのか、納得がいくでしょう。

私はまず、「下のオーダー谷」の「下」というのが気になりました。じゃあ、「上のオーダー谷」はどこなんだ、と。
調べた結果、そういうものはないけれど、あえて言えば、現在「オーダーブルフ (Oderbruch)」と呼ばれている、オーダータールの南、フランクフルト・オーダーの北にある干拓地が「上のオーダー谷」に当たらなくも無い、ということが分かりました。

次に気になったのは「谷」という単語。ご存知の通り、ブランデンブルク州には山もなければ、谷もありません。オーダータールは広大な湿地帯で、全然「谷」じゃないんです。しつこく調べたところ、どうやら、一般的に低地のことを谷と呼ぶ事があるようです。
そもそも、オーダーブルフのBruchというのも、湿地とか沼地という意味ですから、低地を意味するタールと繋がらなくもないです。

ということで、名前を見るだけでも、「ウンテレス・オーダータール」が「オーダー川沿いの低地の河口に近いほうの地域」くらいのことが想像つくわけですね。しつこく考えてみるもんです(^^)

そんなウンテレス・オーダータールというのは、そもそも、どんなキャラクターを持った土地なのか?国立公園になる前はどんなところだったのか?
知らない土地を知る鍵は、いつだって歴史にあります。

ブランデンブルク州が歴史的にどんな土地だったかというのは、本でも触れていますね。
超簡単に言うと「辺境地」です。
それも、ただの辺境地ではなく、もともと沼地の多い、入植や農業に適さない土地でした。
オーダー川にしても、低地をのろのろと流れているので、湿地が多く、洪水とか、一旦増水するとすぐに水が引かない場所もあるわけです。
オーダー川の河口に近いウンテレス・オーダータールというのは、農業をしようにもできない、延々と広がる湿地帯でした。

なんだ、そのまんまじゃん、と思うでしょう。でも、湿地帯のまま放って置かれたのは必然ではありませんでした。ウンテレス・オーダータールと対照的な歴史を辿ったのが、そのすぐ南にあるオーダーブルフです。a0104785_212711.jpg

地図はhttp://www.oderbruchpavillon.de/home.htm#からお借りしました。
(←ここ)この地図で黄色く囲ってあるところがオーダーブルフです。

ブランデンブルク州の歴史はベルリンと結びついている事が多いのですが、オーダーブルフという地域は、ベルリンの食料庫となるべく、大規模な干拓事業が行われたところです。
有名なのはプロイセン3代目の王、フリードリッヒ大王の干拓事業で、オーダーブルフは人が住んで、農業のできる土地へと変わっていきました。
でも、そういう取り組みというのは、そのすぐ北のウンテレス・オーダータールでは行われませんでした。ベルリンから遠いのと、湿地の規模が原因だったのでしょう。

ウンテレス・オーダータールに開発の手が本格的に伸びるのは20世紀に入ってからです。それも、農業のためではなく、水運のための開発でした。ベルリンと、オーダー川の河口にあるシュテティンの船の行き来を潤滑にするために、新しい水路がオーダー川と平行するような形で作られました。

ということは、その水路とオーダー川の間に、島のような長細い空間ができるわけですね。それが、あの長い国立公園の原型です。言ってみれば、水路を作る事によって、湿地帯を囲い込んだんです。

同じオーダー川沿いの湿地帯と言っても、オーダブルフでは干拓事業では農地ができたけれど、ウンテレス・オーダータールでは、湿地とそうでない場所をはっきりと区分する事が行われたんですね。

ではなぜ、そんな「徹底的に湿地」な役割の土地(^^;)をわざわざ残したのか?
それは、この土地を定期的に冠水させるためです。オーダー川は冬になると水かさが増えます。冬の間、本来だったら一面を水浸しにしていたであろう川の水を、この人工的に作り出した川と水路の間の土地に流すことで、洪水を防ぐのです。そのための水門がたくさんあって、そこで水の量が調整され、冬の間、この土地はまるで湖のようになります。言ってみれば、自然のダムです。


これがウンテレス・オーダータールの基礎という感じですが、つべこべ言っているだけでは面白くないので、動画や写真を見たい人は国立公園のホームページに飛んでみてください。左のカーソルの「Rundflug/Bilder」というところで、上空から見た映像と、たくさんのキレイな写真が見えます。動画の最後のほうで、一面水浸しの映像があるし、写真の一部でも、冬に木が水没しているのが分かるはずです。

ふぅ、国立公園第二話、これにて終了!まだまだ続くよー。

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by KIKI-Brandenburg | 2008-01-20 23:03 | 自然保護区/公園

国立公園(1):州で唯一の国立公園

ブログを書いていて、時々、「山ほどあるブランデンブルク州ネタをどこから片付けていこう・・・」という、マニアならではの悩みにさいなまれます(^^;)。
あんまりマニアックなことばかりガンガン書いていっても、みなさん、ついてこれないかもしれないし・・・と今まで置いておいた、大きめのネタというのがあって、その1つが

国立公園 ウンテレス・オーダータール
(Nationalpark Unteres Odertal)


この国立公園に関して、私はマジで詳しいです。だって、先学期ヨーロッパ民俗学のゼミで論文1個書いたし、調査旅行でも実際に行ったし。そうそう、あの5泊6日のチャリツアーのことですよ。

半年前に執拗にこだわって、資料集めまくって調べたこの国立公園なんですけれど、なんせ、論文ってマニア向けに書く文章なので、その内容を和訳しただけでは、みなさん、頭の中クエスチョンマークだらけになっちゃうと思うんです。
マニア的情報を、いかに「フツーの日本人」に分かるように書くか。著書でも、そこに神経を集中させたわけですけれど、これはなかなか難しいんですよ、実は。
でも、今回も、そのスタイルで、超マニアックなヨーロッパ民俗学の論文をもとに、ブランデンブルク州の誇る(?)国立公園を紹介したいと思います。

さあ、準備はいいかー!行くよーっ!!

国立公園ウンテレス・オーダータールというのは、
ブランデンブルク州で唯一の国立公園です。
ドイツには14の国立公園があって、全国に散らばっています。これはドイツが連邦制(州が政治の単位として大きな意味を持っている)を取っていることと関係していて、国立公園を作る際、まず州レベルで議論されて、それから国のレベルで承認されるというシステムをとっているからです。
「国立公園」というのは、自然保護をPRする上でいい宣伝にもなるし、州としても、できるなら持っていたいという感じ。メクレンブルク=フォアポンメルン州やバイエルン州のように、2つ国立公園を持っている州もある一方で、バーデン=ヴュルテンベルク州のように、1つもない州もあります。(この州に無いというのは個人的に意外でしたが・・・)

国立公園ウンテレス・オーダータールができたのは1995年。
やっぱり、というとヘンですが、ドイツ東西統一後の話です。
DDR時代にも、自然保護というテーマはあったにはあったんですが、今ほど重要視されてはいませんでした。というか、西側諸国でも、自然保護とか環境問題に対する関心が社会的に広まったのは結構最近のことですからね。

そもそも、この国立公園がどこにあるのかというと、ブランデンブルク州の北東の隅っこ、オーダー川沿い、つまり、ポーランド国境のところです。
本を持ってる人は132ページのウッカーマークの地図を見てください。国境沿いに細長く国立公園が延びているでしょう。この長さが約60キロ。
国立公園のまんなかあたりに、本の第5章で出てくる、石油化学コンビナートの街、シュヴェートがあります。これが実はすっごく重要な事なんですけれど、それはまた後で説明しよう(^^)。

国立公園として認知されるからには、それ相応の自然がなければいけませよね。ウンテレス・オーダータールの何が特別なのか。大雑把に言うと、

・ドイツで唯一の湿地帯の国立公園
・定期的に冠水する
・約1150種類の動植物が生息する地域

定期的に洪水が起きて、その水がまた定期的に引くという事によって、他の地域では見られないような生態圏が作られて、数多くの動植物が生息しているわけです。

なんせ湿地帯だから派手さはないけど、オンリーワンですよ。すごいじゃん。
環境保護の観点からすると、こういう地域が残っているという事自体、実は感動モノなんです。普通だったら、こんな湿地帯、とっくの昔に干拓されてるでしょう。そうじゃなかったんだな。

本の第2章で、どうして素晴らしい並木道がブランデンブルク州に残っているのか書きました。あれとちょっと似ていると思います。開発の代償として旧西ドイツの並木道は消えたけれど、いい意味で「放っておかれた」ブランデンブルク州には、並木道が残り、それが現代になって脚光を浴びている。何が幸いするか分からないですね。(つづく)

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by KIKI-Brandenburg | 2008-01-18 22:27 | 自然保護区/公園

調査旅行(5):国境を越える

ポーランドの辺鄙な村から電車でまた延々と移動し、今日は国境を越えてドイツに戻ります。

ポーランド側の街はGryfino (ドイツ語名:Greifenhagen)、ドイツ側はシュタフフェルデ(Staffeld)という村で、オーダー川が国境になっています。
この国境地帯のドイツ側には「ウンテレス・オーダータール (Unteres Odertal) 国立公園」という、ブランデンブルク州唯一の国立公園があり、ポーランド側にも自然保護区があります。
この国立公園について、論文を1個書いたばかりで、私はマニアックに詳しいんですが(^^)、それはまた別の機会にでもお話しましょう。

国境を渡る方法としては、車か自転車があります。徒歩でも渡ろうと思えば渡れますが、国境検問所はドイツ側にあって、そこまでかなりの距離があります。
なぜ川を隔てたすぐのところに国境検問所が無いかというと、オーダー川の向こうには広大な湿地帯の自然保護区が広がっていて、人が住んでいないからです。
国境を越えたすぐのドイツ側は、村が点在する穀倉地帯で、電車の駅もないので、車か自転車がないと困るでしょう。

では国境を渡ってみましょう。

a0104785_451304.jpg

ポーランド側の街からみたところ。緑色の大きな橋が道の向こうにかかっています。物々しい雰囲気は全くありません。

a0104785_4521540.jpg

橋のたもとはこんな感じ。ブレブレですみません。

a0104785_4525493.jpg

橋の上から見たポーランド側の街。この国境のあたりでは、オーダー川はかなりの川幅になっています。

そんな橋を渡ってから、湿地帯の中の一本道を延々と行って、ちょっとした坂道を上ると、国境検問所があります。本当は写真を撮りたかったけれど、ダメそうだったので写真はナシ。
雰囲気としては交番みたいな感じでした。ゼミの参加者のうち、ウクライナ人と私のパスポートだけはみっちり調べられました。外国人といっても、EU内の外国人は国境を渡るのも簡単なんです。

この国境を越えてからは、上り坂がいくつもあって、結構しんどいです。荷物満載の自転車でフーフーいいながらこいでいきます。
畑が広がるエリアには、きれいな並木道も多いんです。並木道をビューンと飛ばしながら、「あぁ、ブランデンブルク州に帰ってきたな」と、うれしくなりました。

調査旅行ではこの後、ブランデンブルク州北部のウッカーマーク郡の村に2泊して、国立公園の近くの地域の街や村でインタビューをしてきました。そのことは、また分けて紹介しようと思います。

調査旅行はゼミの一環なので、事前にまとめたり、口頭発表の準備をしたりと、大変でしたが、調査する場所に赴くというのはいい経験になりました。実際に行ってみないと分からない雰囲気や、インタビューをしなければ得られない情報というのはとても多いんだと実感しました。
朝から晩まで(部屋は必ず相部屋)ゼミの参加者といるのは、外国人で、その上基本的に単独行動が好きな私にはかなりハードだったんですが、こんな状況に置かれなければ一生しなかったかもしれない濃い交流だったわけで(^^;)、ドイツ生活の経験値がググッと上がったような気もします。(おわり)

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by KIKI-Brandenburg | 2007-09-03 04:56 | 調査旅行