ブランデンブルク州、旧東ドイツ、ベルリンを楽しもう
by KIKI-Brandenburg
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   ★KIKIの自己紹介★
岐阜県生まれ、岐阜県育ち。
立教大学文学部ドイツ文学科卒業。同大学在籍中、交換留学生としてベルリン・フンボルト大学へ留学。
立教大学卒業後、フンボルト大学に正規学生として入学し、ヨーロッパ民俗学とジェンダー学を専攻。
2007年9月下旬に著書「がんばれ、ブランデンブルク州!」を出版。アマゾンなどネットの本屋さんでも買えます。「がんばれ、ブランデンブルク州!」で検索してください。ベルリンではDDR博物館でも売っています。興味のある方は私に直接問い合わせてくださっても結構です。

2008年8月の終わりに娘が産まれました!育児ネタもちょくちょくあります。

ドイツ語のプライベートレッスンをしています。興味のある人はここか、直接こっち(別ブログ)に飛んでください。

      ★お願い★
このブログ内の文章や写真に興味を持って引用/転載してくださる場合は、出典として明記してください。ネットの場合はリンクを張ったりトラックバック機能を使ってください。そして、そんな名誉なことがあれば、KIKIはぜひ知りたいので、ご連絡ください。

このブログはKIKIが趣味としてやっているものです。不快なコメントなどは削除しますのであしからず。

記事の内容に並々ならぬ興味をそそられた方、KIKIと直接コンタクトを取りたい方はメールでどうぞ。
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ブランデンブルク州の観光情報(州の公式観光案内)

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グリーンピース30周年

ここ数日で、アップしたいネタがドカドカっと増えたのですが、こんなときに限って、娘は熱を出してくれます。保育園に行っている数時間があるとないのではものすごい差ですね。

この土曜日に、3つのイベントがバッティングしました。その1つは、家の近くの店のリニューアルオープン\(^^)/だったのですが、それは時間的に無理だったのでパスして2つのお祝いをはしごしました。

今回はそのうちの1つ、グリーンピースの30周年のお祝いについて。

環境保護団体グリーンピースについては、ここで説明するまでもないでしょう。(興味のある人はここ)私は、アクティブに活動しているわけではないけれど、グリーンピースのやることには共感できるので、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけなんですけれど、寄付をしています。

グリーンピースの活動は多岐にわたります。環境と関わることすべてが守備範囲。森林伐採、海洋汚染、原発、遺伝子組み換え食品、いろんなことに反対して、啓蒙活動をしています。

特に日本と関わりがあるテーマだと、漁業にまつわる分野かな。魚の乱獲とか、イルカ・クジラの漁とか、海洋汚染とか。
グリーンピースの活動を通して、私は、水産資源を消費することが、環境と深く結びついていること、政治的な側面をもっていることを知りました。ドイツだと、肉食に対する批判はすでにあるのですが、魚に関してはまだまだ。魚介類を大量に摂取する日本でも、というか、大量消費国だからこそなのかもしれませんが、魚を捕ることにたいする批判的な視点というのはあまりないと思います。東南アジアのエビの話とかは知られているけれど、それ以外にも、いろんな環境や政治と絡んだ話があるんですよ、魚介類を巡っては。

私はそんなに環境第一、というほど熱心な人ではないのですが、グリーンピースの活動というのは「グッと」きます。ゲリラ的な活動が多いんだけれど、みんな本気で、プロなんです。
やり方のどこかに若者的な怒りがあるというか、「バカヤロー」と言って石を投げつけるような気合がある。すばらしい。そして、その怒りを表現する手段がまたまた本気。走行中のタンカーにボートでくっついていってタンカーにメッセージをくっつけたり、高い建物によじ登ってメッセージを掲げたり。そういうのをやる活動家というのはプロのノウハウを持っているから、その辺に落書きするのとは違うスケールでメッセージを伝えることができるのです。

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グリーンピースの活動を伝える展示。遺伝子組み換え食品に対する批判。

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粉ミルク、ベビーフード、牛乳の展示。遺伝子組み換え作物を使っていない製品と、使っている製品をそのまま並べて展示しています。変に名前を隠したりしないで、サラリと「遺伝子組み換え食品」のレッテルを貼るところがいいね。

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実際に活動を行う時に使う装備も展示されていました。これは、海に潜る時のセット。

「そんなことしてなんになる?」と、「つまらない大人」は言うだろうけれど、私は「バカヤロウ!」と言う事自体に価値があると思うし、みんなが声を上げれば何か変わるかもしれないという希望もあります。実際、ドイツでビオがここまで普及するようになったのは、そういう反骨精神があったから&それが実を結んだからだと思うし。

グリーンピースの活動というのは、どこかワクワクします。平気で本音を言う、おかしいことをおかしいと言う。誰かが言わなければいけない、でも、そんなこと言ったら、袋叩きにあうかもしれないし、訴えられるかもしれないし・・・というようなことに果敢に挑むグリーンピースは偉い。

グリーンピースは今年で30周年。・・・あ、私と同じか、と思ったらまた親近感がわきました。ちなみに、私が時々行くビオのパン屋さんも今年30周年。緑の党もできて30年くらい。私が生まれた頃にドイツではアルタナティブな活動が本格的になったんですね。多分、当時は小さな活動だったけれど、それが今ではメインストリームになりつつある。30年後にどんな社会になっているか、もっと言えば、30年後に私達はどんな社会に住みたいのか、という事を考えていく必要があるなと思いました。

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by KIKI-Brandenburg | 2010-10-13 16:36 | ベルリン生活

生物圏保護区の危機(2)

生物圏保護区ショーフハイデ=コリーンを巡る議論の続きです。

ブランデンブルク州北部で作られたエコエネルギーを他の地域に引っ張ってくるためには高圧電流の鉄塔が必要で、それが生物圏保護区を通るのは仕方ない。・・・というのが電力会社ヴァッテンファルの言い分なのですが、本当にそれは仕方なくて、当然のことなのか?というと、そんなことは全然ありません。反論する根拠はいろいろあります。

まず、環境保護の面から。
・高圧の電流が直接流れる鉄塔を作ると、そこで鳥が感電死する可能性があります。生物圏保護区にはいろんな鳥がいるわけで、鳥類保護の観点からすると言語道断です。
・延々と鉄塔が続くことで自然保護区としての景観が損なわれます

地元住民にとって。
・高圧電流というのはそもそも体によくないみたいで、発ガン性があるそうです。最悪、住民に健康被害が出ます。

環境保護&地元としては、百歩譲って、せめてそのケーブルを地下に埋めてくれと言っているのですが、それは地上に鉄塔を建てるよりはるかにコストと時間のかかることなので、電力会社はやる気なし。
でも、地元の要求っていうのはそんな高飛車なことでもないんですよ、だって、ニーダーザクセン州やバイエルン州では、センシティブな地域(多分自然保護区とかのことでしょう)に高圧電線を引く事を禁止する法律があるんです。いってみれば、他の州では非合法なことを電力会社はブランデンブルク州でやろうとしている。弱いところを突かれたというか、経済優先というか。

この鉄塔を巡る問題で「なるほどー」と思ったのは、これが単純にブランデンブルク州北部の話だけで済んでいないことです。
電力会社がさっさと鉄塔を作りたがっている背景には、将来的に東ヨーロッパから電力を引っ張ってくる計画があるからです。こうなると、単純に一企業の利益というだけでなく、エネルギー政策というか、政治的なニュアンスも絡んできますね。
それで、東ヨーロッパやロシアから引っ張ってこようとしているのが、原子力や石炭を使って作った電気です。・・・現在、ドイツはG8の中で原発廃止ということにこだわっている唯一国だということを考えると、「自分の国の中では廃止しておきながら、他の国で作られたエネルギーに頼るつもりですか?」と非難されてもしょうがないでしょう。そして、政治的な決断が下される以前に、すでに電力会社はいろんな計画を立てている。・・・いいんですか、それで(--;)。

さらに私がカチンときたのは(←ええ、もちろん来てます)、ドイツの北東部(ってことは旧東ドイツがメインでしょう)の風力発電で作られた電気がドイツの南西部に輸送されているということです。将来的にはバルト海で作られた電気もそっちにいくらしい。
・・・えぇ?経済に詳しくないから分からないだけかもしれないけれど、なんで東の隅っこで作られた電気が対曲線の反対側にある地域に運ばれなきゃいけないだろう?そんなことをすれば輸送にも時間とコストがかかるし、途中で失われる電気も多いだろうに。

そして、ガーンときた(←きてる、きてる)のは、ドイツの「再生可能なエネルギー」の41%は旧東ドイツで作られているけれど、旧東ドイツで使われているのはそのうちの18%に過ぎないということ。
経済云々と関わりのない者のナイーブな発想かもしれませんけどねー、なんで地元で作ったエコエネルギーをできたてほやほやで地元の人に使わせないんだろう?高いからかな。鉄塔だのなんだの作って無駄なことする以前に、旧東ドイツ全体をエコエネルギーでカバーすることだってできるはずなのになぁ。
ブランデンブルク州南部からザクセン州北部にかけて(「ラオズィッツ」著書第7章参照)では、まだ石炭を採ってます。そのためにこれからもたくさんの村を立ち退かせて、地面を掘っていく気でいる。そんなことしなくてもいいはずなのにまだやっているのは、やっぱり経済優先&安い電力ってことにこだわってるからでしょう。

考えてると悲しくなってきます。少なくともエネルギー関係においては、旧東ドイツというのはまるで発展途上国のような立場じゃないですか。自分のところで消費しないものを安く作って、それをリッチなエリアに供給している。「カカオ農場で働く人たちはチョコレートを食べていない」って話みたい(T-T)。なんかフェアじゃないな。

ヴァッテンファルがどこまでアクドイのか(笑)ってのは分かりませんが、ブランデンブルク州&Co.の電気関係のことはこの会社がやっていて、ラオズィッツの石炭にしても、ウッカーマークの風力発電にしても、この会社が絡んできます。利益を追求することが企業の仕事とはいえ、私はどうも気に食わないので、ウチはヴァッテンファルから電気を買ってません。もっとエコにやってるエネルギー会社があるので、ちょっと高いけど、そこの電気を使っています。ゴマメの歯軋りといえばそうですが、エコとかフェアトレードとか環境問題とかはゴマメの歯軋りをみんなでやることで動いていく事だと思うので(チーム・マイナス6%とか、いいんじゃないですかね^^私は何気に参加してますよ☆)こんなブログでもブツブツ言ってみたくなります。

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by KIKI-Brandenburg | 2008-07-27 00:19 | 自然保護区/公園

生物圏保護区の危機(1)

ベルリンの北東、バーニム郡とウッカーマーク郡(著書132ページ参照)にまたがる地域に、ユネスコに登録されている自然保護区「生物圏保護区ショーフハイデ=コリーン(Biosphärenreservat Schorfheide-Chorin)」(公式ホームページはここ)があります。現在、この生物圏保護区の存続にも影響しかねない問題が持ち上がっているのでご紹介します。

自然保護区というのが、必ずしも「まぁステキ~♪」というものではなく、場合によっては地元の産業や人々の暮らしを脅かすものであるということについては「国立公園シリーズ」を読んでくださったかたはもう分かっていると思うのですが、今回の場合は、対立の構造としては地元vs大企業です。

ベルリンから離れたブランデンブルク州の田舎に行くと、いたるところに風力発電の風車とか、バイオマスのプラントみたいなのがあります。エコエネルギーとか、再生可能なエネルギーとか、そういう部類に分類される方法で発電をしているんです。そういうのができるのは田舎ならではだし、原発だの石油だのに頼るよりはよっぽどいいと思います。
ただ・・・そうして(ド)田舎で作られたエネルギーを遠くの街や地域に引っ張ってくるにはケーブルとか鉄塔とか、そういうのが要ります。今回の問題はそれが焦点。

ベルリンや旧東ドイツあたりの電気というのは、スウェーデンのエネルギー会社「ヴァッテンファル(Vattenfall)」が管轄しています。それで、ヴァッテンファルはブランデンブルク州北部で作られた「エコエネルギー」を他の地域に回したいともくろんでいて、そのために高圧電流の流れる鉄塔を作る気でいます。

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高圧電流の流れる鉄塔というのは多分、こういうやつ↑。これは以前ベルリンの東のアルトランスベルクにサイクリングに行ったときにあったものです。高さ50メートルくらいのこういう鉄塔を延々と作って電気を運ぶのです。・・・そして、それがどうやら例の生物圏保護区を通るらしい。

というのが今回の問題です。
こんな鉄塔を生物圏保護区に作るっていう発想自体が間違っていると思うのですが、企業側の理屈からすると、作らなきゃいけないんだからしょうがない。でも、自然保護を優先するのが自然保護区の本来の姿じゃないのか?いくら大企業とはいえ、自然保護区を危機に晒してまで一企業の利益を優先させる必要があるのか?当然、環境保護系の人や地元の人は反対するわけです。
それに微妙なんですよね・・・エコエネルギーは大いに結構。でも、エコならなんでもいいのか?エコエネルギーのために何が犠牲になっているのか?そうやって作られる「エコ」は本当にエコなのか?私たちが「エコだから」と安心して(高いお金を払って)消費するものが、実は意外なところで意外なものを犠牲にして成り立ったものかもしれない・・・。

長くなるので、続きはまた今度!

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by KIKI-Brandenburg | 2008-07-23 19:45 | 自然保護区/公園

ユータボーク近くの山火事

ブランデンブルク州はそもそも山火事が起きやすいということを書いた矢先に、大規模な山火事が本当に起きてしまいました。

a0104785_2258436.jpg歴史的な町並みの残るユータボーク(Jüterbog:本138ページ参照)の近くで、一日以上燃え続けて、サッカー場300個分の面積が焼けました。余談ですけれど、昨日ゾヤ君に連れられて、ヨーロッパカップの試合を初めてスクリーンで見たんですよ。しみじみサッカー場って大きいなと思ったんですけれど、あれ300個分とはスゴイな・・・。

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200人近くの消防士+軍のヘリコプターを使っての大規模な消火活動の結果、今日になって鎮火しましたが、風にあおられてまた火が出る可能性も大いにあるということで、20人体制で監視をしているそうです。(写真はMärkische Allgemeineより)


あらまぁ、大変ねぇ・・・と、ここで話を終わらせちゃあいけません。

・なぜ山火事が起きたのか?
・なぜ「そこ」で起きたのか?
・なぜこんな大規模な火事になったのか?

気になるでしょう!少なくとも私は気になったので食い下がってみましょう。

実は、燃えたところというのはかつての軍事演習場でした。
軍事演習場といえば、以前にボンボドロンについて書きましたけれど、ブランデンブルク州には軍事演習場やそれに由来する立ち入り禁止区域というのがかなりたくさんあります。なぜか?そりゃ、ベルリンの郊外ですからね。首都ベルリンに近いところに軍が駐屯したり練習する場があるというのは便利です。

今回の新聞の報道によると、この山火事が起きたテルトウ・フレミング郡には50 000ヘクタールのかつての軍事演習場があって、それはなんとザクセン州全土にあるのの2倍に当たるとか。・・・ザクセン州に軍事演習場が極端に少なかったのか、テルトウ・フレミング郡に極端に多かったのか?多分、両方なんでしょうけれど、テルトウ・フレミング郡に極端に多かったと考えても間違いではないでしょう。ドイツ帝国時代からこの地域には軍事演習場があったようですが、地理的には西ベルリンのすぐ外にあたるわけですから、DDR時代に大規模に使われていた可能性もあります。

かつての軍事演習場と山火事がどう関係するのか?ここを結び付けたい(笑)私は、間違いなく「軍隊なんか嫌いだー」という人なわけですが(^^;)

軍事廃棄物

に関わる問題は無視できません。

ボンボドロンの場合もそうですが、かつての軍事演習場というのは軍事廃棄物で汚染されています。不発弾や兵器の残骸などがその辺に落ちていたり埋まっていたりしていて、人が自由に入れるようにするには、まずそういうのを片付けないといけません。でもそれはとんでもなくお金も時間もかかることなので、そういう場所は立ち入り禁止にしてしまい、適当に「自然保護区」なんてことにしている場合もあるわけです。

今回の山火事の出火原因はまだ特定されていませんが、可能性としてはこの猛暑で不発弾などが自然発火したということもあります。
そして、一旦火が広がると、その辺に落ちている不発弾がボンボン爆発していくわけです。ひえぇ~(><)。
さらに、消火活動をするにしても、消防士たちは、そんな、どこに爆弾が落ちてるか分からないようなところには入っていくことができません

ということで、グリュ~ンな私に言わせれば、そもそも、
そんな危なっかしい場所があること自体間違ってる(怒)。
(かつての)軍事演習場なんぞいらん!タイマイはたいてでも、軍事廃棄物をちゃんと処理して、人と動植物にいい森を作るべきです!

あちこちに軍事演習場がらみの問題があるというのは、首都を取り囲むブランデンブルク州の宿命といえば宿命なのかもしれませんが、歴史的な背景や「過去の遺物」が現在の環境や暮らしにも影響を及ぼしているというのは、ちゃんと考えないといけないことだと思います。
環境系のテーマなんてどんなものでもそうですけれど、その場の利益でやることが、将来的にどういうネガティブな影響を及ぼすか、そういうことまで責任を持ってもらわないと、後の世代が困りますね。

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by KIKI-Brandenburg | 2008-06-12 02:44 | 災害

花粉症

多くの人はもう気づいていると思うのですが、私は結構エコな人です。
自然が好き、植物が好き、できるものなら有機栽培にもっと投資したいと思っているタイプ。緑がないとどうもダメなんです。だから、部屋にいっぱい植物置いてるし、暖かい季節には窓際で野菜とか花をせっせと作っています。
ドイツの選挙権があったら、おそらく緑の党に入れているでしょう。ドイツ一、緑の党が強い選挙区、クロイツベルク地区に住むべくして住んでる人です。

そんな、自然に優しい私ですが、理解できない事があります。
それは・・・

花粉症。

日本ではスギ花粉の季節になると、マスクして薬飲まないとやってられませんでした。
ベルリンに来た当初は、「そうだ!ドイツにはスギってないし、これで花粉症から解放されるぞ☆」と思っていたんですけどそれはまったくのぬか喜びでした。

ドイツでは、ドイツの植物の花粉にやられてます。

なぜだ・・・植物を愛する私がなぜ花粉に攻撃されるのだ・・・(T-T)

世の中こんなもんなのかな。理屈じゃないんでしょう、きっと。日本のスギ花粉ほどではないにしろ、花粉の季節になると、鼻がグスグス、くしゃみ、鼻づまり、涙目etc. 一般的な花粉症の症状がでます。

ベルリンの(私が反応する)花粉のシーズンというのは、日本より遅くて、大体4月くらいなんですけれど、いろんな植物が時間差攻撃を仕掛けてくるし(笑)、その年によって時期や症状のひどさにも差があります。

私、この数日、鼻がグスグスしていたんです。ゾヤ君が風邪をひいていたので、「あらら、うつっちゃったかな」と思っていたんですけれど、今日、「これは花粉症では・・・?」という気がしてきました。
だって、鼻水が透明なまま(露骨な表現ですみません)なんですよ。普通の風邪だと・・・違いますよね。それに、鼻以外の症状がこれといってない。
でも、花粉症にしては早すぎなんじゃないかな??と思ったんですけれど、今日、昼過ぎに近くの公園に散歩に行ったら、鼻がムズムズして、くしゃみを連発したんです。これは怪しい!

帰ってきてネットで調べてみると・・・

ガーン、もう、飛んでる!!

a0104785_0542928.jpg←ハンノキ(Erle)がバッチリ花粉を飛ばしています。いろんな種類があるようなので、家の周りにあるのか分からないんですけれど、花粉予報によればかなり飛んでいるらしい。
ベルリン周辺で花粉症を起こす植物のなかでは、早いシーズンに花粉を飛ばす木です。まず、この木が飛ばしだし、それに他の木がどんどん続いていく感じです。

a0104785_0593459.jpgそして、ハンノキほどではないけれど、すでに「ほどほどに」花粉を飛ばしているのがセイヨウハシバミ(Hasel)。
ドイツ語で「ハーゼル」といいますが、英語だと「ヘイゼル」です。そう、ヘーゼルナッツのヘーゼル。
このセイヨウハシバミは、かなり大きい木で、街路樹として植えられていることもあります。・・・家の近くの道路にいくつも植えられてるよぉ(><)
食用としてスーパーで売られているヘーゼルナッツは丸っこいどんぐりみたいで、街路樹が落としている実はもっと小さくて形も不揃いです。毎年、道に落ちているヘーゼルナッツを見て、「これは上手くすれば食べられるんだろうか・・・」と思いつつ、いまだに試した事はありません(^^;)
セイヨウハシバミの花は、全然花っぽくなくて、長細いふわふわしたのが垂れ下がっています。シーズンになると、たくさんの花がさらさらと風に吹かれて、それに、そもそもこの木は涼やかな感じでキレイなんですけれど・・・どうも私はこの木の花粉もダメみたいです。(画像は2つともウィキペディアより。)

この2つが花粉を飛ばし始めたということは、しばらくしたら、ポプラ、ヤナギ、ニレ、ブナあたりも飛ばし始めるかもしれないです。
それにしても、今年は早い。冬がそんなに寒くなかったことと、ここ数日暖かい日が続いたからでしょうか?明日から、また10度以下の気温に戻るから、これからどうなるかわからないけれど、「空気吸わないわけにいかないんだから、勘弁してよ」、というのが花粉症患者の切実なる訴えです。

ヘンだなと思うのは、日本では針葉樹のスギの花粉にやられていたのに、ドイツでは基本的に広葉樹の花粉に反応しているという事。ドイツでモミの木あたりの花粉でおかしくなるなら分かるけれど、どうして広葉樹なんでしょうかね?関係ないのかな、そういうのは。

本で、「ブランデンブルク州では松林を広葉樹のある混合林に変えていく取り組みがある」ということにも少し触れています。混合林って、生態系にとってはいいんですけれど、花粉症患者としては、微妙です。ブランデンブルク州に多い松は、花粉症を引き起こさないですからね。松林、実は一部の人間に優しいんですよ、ははは。

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by KIKI-Brandenburg | 2008-02-11 02:04 | ベルリン生活

エコ回廊 南ブランデンブルク

ネットでローカル新聞を読んでいたら、こんなタイトルの記事を発見。

Start für europaweit einmaliges Naturprojekt „Ökologischer Korridor Südbrandenburg“
Freie Bahn für Wolf, Otter und Hirsch


ヨーロッパで類をみない自然プロジェクト「エコ回廊 南ブランデンブルク」がスタート
オオカミ、カワウソ、シカのための自由な通り道
                              (Lausitzer Rundschau より)

ほー、ブランデンブルク州にまた自然保護区ができるのかいな、と読み進めたら、どうやらかなり大きなプロジェクトのようです。詳しくはwww.stiftung-nlb.deを参照。

もともと、ロシア軍の軍事訓練場だったところや、すでに自然保護区になっているところをつなげて、広大な自然保護地域を作るみたいです。
その大きさたるや、3000平方キロ
お隣のザクセン=アンハルト州から、ポーランドまで延びる「回廊」(歴史に出てくる「ポーランド回廊」にならって、回廊という訳を使いましょう)をつくり、動物が自然な行き来をできるようにします。
南ブランデンブルクといっても、ベルツィッヒ(Belzig:要塞のある街)ベーリッツ(Beelitz:シュパーゲルの街)のあたりや、シュプレーヴァルト、フランクフルト・オーダーの南のあたりをつないでいくという感じ。・・・って言って分かるのは私くらいか。ハイ、本見てくださいね(^^)。

20年越し(別の新聞では30年)で計画されているこのプロジェクト、最初の2年間の試験的プロジェクトに640 000ユーロ(一億円以上!!)の資金が投入されるそうです。
「えぇっ、そんなお金がどこに!?」
と思ったら、国の環境財団が大部分を出して、部分的にブランデンブルク州の環境省やWWFや自然保護団体も援助するらしい。自然保護関係となれば、うまくいけば、今後EUやいろんな団体がバックアップするかもしれませんね。

ドイツって、というか、すくなくもベルリンやブランデンブルク州は、お金が無い、無い、と言いつつ、時々ポーンとすごい事をやるんですよ。特に環境だの芸術だの、「そんなもん、食えんでしょうが」と突っ込みたくなるようなことにすごい額のお金を投入したりする。
見てるこっちは気持ちよくなりますよ(笑)。おーっし、よくやった!みたいな。企業がやらないようなことを採算度外視でやっていく。それに税金や補助金がガンガン使われて、さらにEUあたりが律儀にバックアップしていくのがお決まりという感じです。
「無い袖は振れない」というけれど、なぜかブランデンブルク州は振ってるんですよね。それを可能にするのが、国やEUの強力なバックアップで、そういうのができてしまうドイツって、ヨーロッパって、すごいなぁ、とよく思います。

税金の無駄遣いといえなくもないけど、環境にお金を使うというのは、将来に投資するようなものだから、夢があるし、「食えるか、食えないか」なんていうそんな俗っぽいことは置いといて・・・っていう、その浮世離れしたところがすごい。
経済対策とか、そんなどうせ焼け石に水なことにつぎ込むより、ちょっとくらいお腹が空いてたって、未来の環境のことを考える方がいいのかもしれないし。ブランデンブルク州の、どこかで霞食って生きてるような感じが、私はなんとも好きです。

ブランデンブルク州の、ベルリンから離れた地域では、過疎化も深刻ですからね。この調子で行けば、そのうち人が居なくなるような地域はたくさんあるだろうから、それを嘆くんじゃなく、開き直って、今から自然保護区にしてしまうのもアリだと思います。そうすれば、人が居なくなってただの荒れ果てたところになるんじゃなく、自然のなかに消えていくという感じになるんじゃないかな。

そういうところで「エコツーリズム」をやるのもいいし、動植物がのびのびできる場所になってもいいし、ベルリンが嫌になった人がひっそりと暮らせるところになってもいいし。
実際に、南ブランデンブルク州のどこだったかでは、いなくなったはずのオオカミがポーランドから戻ってきたそうですし(笑)、こんな自然保護区作ったら、いろんな動植物が復活するかもしれませんよね。

いいじゃん、こういうの、どんどんやってよ\(^0^)/

そのうち、州の半分くらい自然保護区になっちゃいそうなブランデンブルク州でした♪

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by KIKI-Brandenburg | 2008-02-08 07:14 | 自然保護区/公園

国立公園(6):法改正

晴れてオープンしたものの、厳しい自然保護規則で住民とのトラブルが続いた、国立公園ウンテレス・オーダータール。これを見かねたブランデンブルク州は解決策に乗り出します。

以前にも説明したように、ドイツの国立公園というのは、州のレベルでいろんなことが決められて、それを国のレベルで承認する、というスタイルをとっています。だから、国立公園に関わる直接的なことは州が管理できるんです。

国立公園をめぐるごたごたには、簡単に言うと、次の人たちが関わっています。

近隣の住民:自然保護に反対ではないけれど、人間の生活も考えて欲しい
企業:経済活動を規制されるのは困る
農業/漁業関係者:自分たちの生活基盤を脅かさないで欲しい
観光業:エコツーリズムをもっとやりたい

               VS.

国立公園:厳しい規制は当然のこと
自然保護団体/研究者:自然保護が第一
ブランデンブルク州:せっかくの国立公園をつぶすわけにはいかない

それぞれの立場を考えると、もっともな言い分ばかりです。
しかし、いつまでもギクシャクした関係をつづけるのは無理ですし、せっかくの国立公園なんだから、みんなに愛されるものであってほしいですよね。そこでブランデンブルク州は法改正に乗り出します。

2006年の10月、ブランデンブルク州議会で国立公園に関する法律が改正されました。住民の側に大幅に歩み寄った、大胆な妥協案です。

まず、みんながやきもきしていたタイムリミットを帳消しにしました。
国立公園は、面積の半分以上が一般の人が入れない地域(Totalreservat)でないといけなくて、それを2010年までに確立するというのが当初の法律で決められていました。この、2010年というリミットをなくしてしまったのです。
え、そんなんでいいの?と思ってしまいますが、期限をなくしただけで、面積の半分以上をTotalreservatにするという目標は変わっていません。それまでなくしてしまったら、国立公園の資格を剥奪されかねませんからね。
なんだか、詭弁という感じがしないでもないですけど、これで国立公園側が焦ることもなく、住民に無理強いすることもなく、まぁ、ぼちぼちやっていこうや(^^)、ということになったわけです。

そして、住民にとってよかったのは、エコツーリズムが解禁されたことです。
もちろん、一部の限られた地域ではあるものの、水泳、散策、カヌー、乗馬、キノコ狩りなどができるようになりました。これで、地元の人々が気軽に自然を楽しめるようになり、さらに観光客にもそれなりのアクティビティーを提供できるようになりました。

あとは、ごく一部の伝統的な漁師はTotalreservatで釣りをしてもいいとか、企業が求めていた道の建設もOKされました。(規模はかなり小さくされたようです)

ちょっと、ブランデンブルク州、
そんなに妥協していいんですか?!
と、私はびっくりしましたよ。
でも、このくらいまでやらないと、もうニッチもサッチもいかないところまで来ていたんでしょうね。この法律は、「自然が自然のままでいられる」という国立公園の理念に反しているんですけれど、そんなことを言っていると住民から総スカンを食って、国立公園の存続そのものが危うくなる、という危惧があったんだと思います。

何事も妥協・・・。

なんだか、すごくブランデンブルク州っぽいな
理想を追う余裕がないというか、なんでいつも切羽詰って妥協なんだろう、という気がしないでもないけど、ま、いいじゃん、ブランデンブルク州の国立公園らしくて。これでみんながそこそこハッピーになれるならいいじゃん。
写真はブランデンブルク州の環境省www.mluv.brandenburg.deより
a0104785_01253.jpgま、カタイ事いわず、どうよ、カヌーでも(笑)。カヌーが環境にどういう悪影響を与えるのか知らないけれど、観光客としてなら、私も一回乗ってみたいです。自然を肌で感じながらゆっくり過ごすなんて、なかなかいいじゃん、と思う私は、環境保護のなんたるかを分かってない俗物かもしれませんけどね、いいと思いますよ、私は。

ということで、国立公園をめぐるいざこざは、なんだかゆる~く、解決してしまいましたとさ♪

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by KIKI-Brandenburg | 2008-02-01 00:41 | 自然保護区/公園

国立公園(5):できたのはいいものの・・・

まだまだしつこく続きますよ、国立公園シリーズ!

1995年に、晴れてブランデンブルク州唯一の国立公園として承認されたオーダータールですが、その後、いろんなゴタゴタが起きます。栄えある国立公園としてオープンしたのに、一体何があったのでしょう?

根本的な理由は、この土地が自然保護と縁のない歴史を辿ってきた事にあります。そう断言できるかどうか知りませんが、これが私の論文のテーゼだったんです(^^)。

オーダータールが自然の宝庫として注目されるのはドイツ東西統一後の話ですからね。それ以前は、政治的にタブーとされた地域、もしくは、人が入ろうにもろくに入れない地域に過ぎなかったわけです。
そして、DDR時代は、オーダータールの近くというのは、徹底的に人が手を加えて活用する地域だったんですよね。オーダータール沿いの街シュヴェートにはコンビナートができ、それ以外のエリアでは大規模農業をやっていた。国立公園の理念、簡単に言うと「自然が自然のままでいられる地域」というのとは正反対なことが行われていたわけです。

そんな地域だから、基本的に、そこに住む人々に「自然を大事にしなきゃ云々」なんていう意識が無いわけです。

それに、観光地として開発できない自然というのは、面倒なんです。だって、お金儲けができないでしょう。「エコツーリズム」にもあんまり期待できないんですよ、だって、人が立ち入れない地域が多いし、下手にホテルだのレストランだの建てるのもNGですからね。

それなのに、これしちゃダメ、あれしちゃダメ、という規則だけは山ほどある。以前は人が入れた地域が立ち入り禁止になってしまったり、魚釣りをしてはいけなくなったりして、住民にとっては迷惑この上ない。

そして、土地をめぐるいざこざが多発しました。国立公園を作ったと言っても、所々に個人の私有地があったんですね。それを公的な団体が買い上げて保護区にする、ということがおこなわれたんですけれど、その際に、土地を高く買いすぎただの、買わなくてもいい土地まで買っただの、買い方がメチャクチャだの、いろんなトラブルが発生したんです。
土地の問題に絡んで批判を浴びたのが、徹底した動植物の保護規則です。特に、オーダータールには絶滅危惧種の鳥類がたくさんいて、その保護というのは何よりも重視されました。

a0104785_454393.jpg写真は自然保護団体NABU(www.nabu.de)より。
これはウズラクイナという鳥で、ドイツ語ではWachtelkönig(直訳すると「ウズラの王様」)というのですが、これが特に大事な鳥なんですよ。私、ドイツ語の名前聞いたときに笑っちゃったんですけどね、だって、
ウズラの王様ですよ、あっはっは。
まぁ、ウズラのでっかいヤツなんでしょうね、きっと(本物を見た事ないです)。
でも、待遇はバッチリ王様なんですよ。だって、この鳥がいるところは速攻、鳥獣保護区になるんですから。ある日突然畑にこの鳥が来たら、その畑の持ち主は畑を手放さなきゃいけない。地元住民にとっては、王様というより、招かれざる客なんですけれど、とにかく、絶滅危惧種の保護は国立公園のミッションです。お鳥サマがいらっしゃったら人間はどかないといけない。理屈としては分かるけど、人間より鳥が大事なのか(怒)って、なりますよね、地元住民の間では。

地元住民とのゴタゴタだけでなく、地元の産業との折り合いをつけるのも大変でした。
だって、もともと、こんなの↓があるんですよ。
写真はPCK(www.pck.de)より。

a0104785_4331883.jpg
この石油化学コンビナート&Co.というのは、川とは反対側のところにあるのですが、オーダー川に直接面したところに、これまた巨大な製紙工場があります。
川をまたいで道やパイプラインを作りたいとか、川にもっと大きな港を作りたいとか、「ちょっと、ここ、国立公園なんですけど・・・」っていうようなことをやりたがったわけです。

こういう工場だけではなく、もともとあった大規模農場にも影響が出ました。保護区と被ってしまったところは立ち退きを迫られ、鳥が来たばっかりに、代々やっていた畑を手放さざるを得ない人たちもでてくるわけですから、地元の産業にはかなりの打撃です。

正直言って、地元住民もここまでの負担を想像していなかったんですね。
「家の近くに国立公園ができるんだって、楽しみだね☆」なんて思っていたのに、ふたを開けてみれば、面倒が増えたばかりか、運が悪ければ生活の基盤を脅かされる。そこまでの犠牲を払っても、地元が観光で潤う事も無く、住民に返ってくるものは何も無い。
「自然保護は大いに結構。でも、人間の生活を無視しないでくれ」という雰囲気になり、次第に国立公園側との亀裂が表面化してきました。

さて、どうなる、オーダータール?ということで、続きますっ!

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by KIKI-Brandenburg | 2008-01-29 05:18 | 自然保護区/公園

国立公園(4):東西ドイツ統一後

20世紀の前半にようやく開発されたものの、DDR時代にはまったくと言っていいほど注目されていなかったオーダータールですが、東西ドイツ統一後、この状況は一変します。

1995年にオーダータールはドイツで12番目の国立公園として正式に認められます。この背景には何があったのでしょうか?

以前説明したように、国立公園をもつことはある種のステータスなので、旧東ドイツのブランデンブルク州にも1つできることになりました。
さて、どこにつくろう??となったとき、いくつか候補はありました。そりゃ、面積の3分の1が自然保護区になるような州ですからね、自然の豊かな地域や、伝統的に保護されてきた地域もありました。
でも、問題は、国立公園の保護基準でした。国立公園というのは、国が認める保護区であるばかりでなく、国際的な基準にあっていなければいけません。そうでなければ、観光やイメージアップを図るために、いたるところに国立公園ができてしまいますよね。

自然保護区というのは、いろんなバリエーションがあって、国や国際レベルで規則や保護の目的というのが定められています。その中で国立公園というのは、一番規則が厳しい自然保護区なんです。簡単にいうとですね・・・

・一般の人が入れない地域が全体の半分以上ないといけない
・観光や地域開発のための公園ではない
・徹底した動植物の保護が目的

という感じです。となると、必然的に「人里離れた」ところになります。

a0104785_4465430.gif
図はWDR5のホームページ(www.wdr5.de)からお借りしました。
これがドイツの国立公園の一覧図なんですが、海とか山岳地帯が多いんです。人が入らないところ、入れないところ、もしくは入れないようにするのが比較的簡単な地域ですね。そうでないと、「全体の半分の地域が人の入らない地域」というルールに触れてしまうからです。

こうなると、海も山もないブランデンブルク州というのは大変です。
確かに、自然の豊かな地域はたくさんあるのですが、そういうところは保養地や観光地として開発されてしまっていて、国立公園の基準に合いません。

そこで白羽の矢が立ったのがオーダータールです。
なにしろ、国境と湿地で、人が立ち入る事のできなかった地域は珍しい動植物の楽園です。それに、DDR時代に、すでに「ラムサール条約」の保護下にも入っていて、国際的なお墨付きもちゃんとあります。そして、もともとポーランドとつながっているオーダータールですから、将来的には「国際国立公園」として扱う事も検討されました。

よっしゃ、オーダータールに決まりっ!!

ということで、ブランデンブルク州唯一の国立公園がオープンしたのですがー・・・そんなに楽ちんぽんに事が運ぶわけ無い、というのがブランデンブルク州のお約束です。次回は、この国立公園を巡るいざこざについて。(つづく)

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by KIKI-Brandenburg | 2008-01-27 05:16 | 自然保護区/公園

国立公園(3):DDR時代のウンテレス・オーダータール

20世紀になってから本格的に開発されたウンテレス・オーダータールですが、その後はどうなったのでしょうか?

この地域を考える上で決定的に重要なのは、第二次世界大戦後の国境の移動です。
本でも説明しているように、第二次世界大戦が終わるまでのドイツ帝国というのは、今のポーランドやロシアの一部を含む、現在のドイツより東に大きく広がった国でした。それが戦後、オーダー川が国境になる事で、川を隔てた向こう側が突如外国になってしまったんでしたね。
この話はウンテレス・オーダータールにも当てはまります。
かつてはオーダー川をはさんだ広大な湿地帯だったウンテレス・オーダータールは、戦後、ドイツ側とポーランド側では、全く違った発展をしていきます。

ドイツ側では、戦争で破壊された水門などは修復されましたが、ポーランド川ではほとんど手が加えられないまま、人が住まない地域として放置されました。ポーランド側は今でもそんな感じです。

では、ドイツ側はどんな歴史を辿ったのか。DDR時代のウンテレス・オーダータールに目を向けてみましょう。

まず重要なのは、シュヴェートの存在です。60年代に、本の第5章で登場する、あの石油化学コンビナートの街が建設されますね。この街は、工業都市として、また、この地域の中心都市として栄えていきます。

シュヴェート以外はどうだったかというと、簡単に言うと、大規模農業が盛んな穀倉地帯になります。

ここで、「え、やばくない?」と思いません?だって・・・工業都市と大規模農業ですよ。
いかにも環境に悪そうじゃないですか!

それに、環境保護の概念が一般に広がる以前の話ですからね。大気汚染・水質汚染はもちろん、農薬をガンガン使う大規模農業も、とてもではないけれど自然保護と共存できるようなものではありませんでした。
現実にどんな環境破壊があったかということは置いておくとしても、大事なのは、そういう「土地柄」です。自然と共存していくというより、自然を克服していくというか、人間の力でどんどん新しい道を切り開いていくという雰囲気が、DDR時代のこの土地にはあったはずです。

そうしたことに加え、ウンテレス・オーダータールが自然の豊かな土地として認識されなかった理由のひとつは、国境沿いが立ち入り禁止区域になっていたからです。ある意味、タブー視された地域で、一般の人が気軽に入れるような場所ではなかったんです。

DDR時代にも、それなりに自然保護区などはありました。今と違って、地域全体を保護するというより、ピンポイントで特定の場所を保護する感じです。
私が個人的に面白いと思ったのは、後に国立公園になる地域に、この自然保護区がほとんどないばかりか、ハイキングの手引きのようなものにいたっては、ウンテレス・オーダータールを完全にスルーしていたことです。

おもしろい・・・これはどういうことか?

そもそも、この地域の自然が、意味あるものとして、保護する価値のあるものとして認識されていなかったということなんじゃないでしょうか?みんなが素晴らしいと認めるものだったら、国境沿いだろうがなんだろうが、もうちょっとなんかしてもよかったでしょう。なのに、スルーですよ、スルー!

一般レベルでは全く無視されていたウンテレス・オーダータールですが、ごく一部の自然保護や動物保護の分野では、この土地の自然が価値のあるものであるという認識があったようです。
後にウンテレス・オーダータールが国立公園になる理由として重要なのは、1971年にラムサール条約(湿地の保護に関する国際条約)の保護下に入ったことです。
といっても、それもそんなに強力な拘束力のある条約ではないし、一般のレベルでは多分知られていなかったでしょうね。

という感じで、DDR時代のウンテレス・オーダータールというのは、国境沿いで、石油化学コンビナートと大規模農業の傍らで、息を潜めていたような土地でした。この地域が脚光を浴びるのは東西ドイツ統一後です。(つづく)

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by KIKI-Brandenburg | 2008-01-23 06:35 | 自然保護区/公園